昆虫食への注目が高まっている。国連食糧農業機関(FAO)が昨年5月、昆虫食が産業に発展する可能性があると報告して以来、日本でも『むしくいノート びっくり!たのしい!おいしい!昆虫食のせかい』(ムシモアゼルギリコ著、カンゼン)や『食べられる虫ハンドブック』(内山昭一著、自由国民社)など、昆虫食に関する書籍が出版され、各地でもイベントが開かれている。

そんな中、「昆虫食伝道師」を自称する篠原裕太氏がこのほど、ブロガーのイケダハヤト氏のサイトで昆虫食についてインタビューを受けた。慶応大学に在学中の篠原氏が昆虫を食べ始めたのは4歳の時。現在、自宅に4万匹の昆虫を飼い、日常的に食べているという。篠原氏が食べるのはコオロギやカミキリムシ、幼虫、クモ類、ひいてはゴキブリ(家に出るものではなく、野生のゴキブリを繁殖させている)など、多種多様だ。(食用昆虫科学研究会は、昆虫を食用にする際には加熱することを徹底するよう注意を呼びかけている)

「生きているものを食べている感覚が幸せ」と、心から昆虫食を愛する篠原氏は今後、「昆虫食学」の確立を目指すという。昆虫食の可能性について篠原氏は「バッタ類は栄養価が高いので、大量養殖技術を確立し、途上国とかにそのノウハウを輸出して現地でシステム化すれば、食料難も環境問題も雇用の問題も解決することができそうです」と語る。

FAOの報告書の中でも、昆虫は、生産効率の良いタンパク源として期待されている。同じ重さの牛肉と比べて、育てるのに必要な飼料が4分の1で済むからだ。また、昆虫は哺乳類と体の仕組みが違うため、昆虫の病気が人体に感染する可能性は極めて低いのも利点だ。清潔な環境での生産・加工ができれば、食用の抵抗感はずいぶん薄まるだろう。

さらにFAOは「生産が自動化されれば、家畜飼料として魚粉を昆虫の粉末で代替できる水準までコストを下げられるかもしれない」と指摘している。昆虫を食べることに抵抗がある人は多いが、飼料用にするならばハードルは下がるだろう。

このように、昆虫食は新たな食料品産業を生む可能性を秘めている。地球人口100億人時代を前に、食料の奪い合いによる戦争や飢餓を防ぐ手立てとしても有効だ。今後、食料危機の重要な解決策として、昆虫が新たなビジネスチャンスとなることを踏まえ、研究を進めるべきだろう。(晴)

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