外務省はこのほど、東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟する7カ国における対日世論調査の結果を公表した。結果は以下の通り。

  • 「自分の国と日本の関係は友好的か」という問いで、全体の94%が友好的であると答えた。
  • 「最も信頼できる国はどこの国か」では、33%が日本と答え、アメリカ(16%)、英国(6%)と続いた。一方、中国は5%、韓国はわずか2%だった。
  • 「日本の印象」では、「技術的に進んだ国」が81%、「経済的に進んだ国」と「自然の景色が美しい国」がともに62%で上位を占める一方、「好戦的な国」は選択肢のなかで最低の4%だった。
  • 「国際協調主義に基づく『積極的平和主義』は、アジア地域の平和維持に役立つか」については、90%が「役立つ」と回答した。

このように、アジア諸国は、日本に対して極めて肯定的な見方をしている。特に、これまで日本政府が行っていた政府開発援助(ODA)や、日本企業のアジア進出が評価されるなど、経済的な貢献がASEANの信頼度向上に寄与したと言える。さらに、中国や韓国、日本のマスコミの一部などが、こぞって主張していた「安倍首相は現代のヒトラー」「積極的平和主義は軍国主義の表れ」に関しても、ASEAN諸国は真逆の見方をしており、むしろ、日本の安全保障体制の強化に期待していることが明らかになった。

今回の調査結果は、日本にとって歓迎すべき結果だ。しかし、反日・軍拡路線をひた走る中国が、アジアへの影響力をより強めていった場合、ASEANの本音は親日であっても、中国の機嫌をうかがわなければならなくなる。事実、中国が主張する南シナ海の領有権や、東シナ海に設定した防空識別圏などに対して、フィリピンを除いた他のASEAN諸国は、及び腰の対応をとっている。

日本はASEANに経済面での貢献を継続しつつ、安全保障面でのASEAN諸国との関係を強化する必要がある。アジアの盟主として、親日的なASEAN諸国と協調して、中国包囲網を早急に構築するべきだ。(慧)

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