衆院鹿児島2区の補欠選挙が15日に告示を迎え、27日の投開票日まで12日間の選挙戦が始まった。「徳洲会グループ」の公職選挙法違反事件で辞職した徳田毅元衆院議員の欠員に伴うもので、今月の消費税増税後初の国政選挙として注目が集まっている。

自民党は公認の金子万寿夫候補が、アベノミクスの成果を強調し、「景気回復を鹿児島の実感へ」と訴える。それに対して、有川美子候補(新党ひとりひとり)と三島照候補(共産党)は、再稼働にむけて準備が進んでいる県内の川内原発の再稼働阻止を前面に打ち出した。

その川内原発の即時再稼働を、2012年の衆院鹿児島3区補選や衆院総選挙で一貫して訴えてきた幸福実現党の松澤力候補も出馬している。同氏は出陣式で「消費税増税阻止、島嶼防衛を含む国防強化を中心に高い志を持って戦う」と今回の選挙戦への意気込みを述べた。

一方、今回の選挙では、自民党の独り勝ちに対して、「政界再編」を画策する野党の足並みが揃わない様子も見て取れる。元民主党で無所属の打越明司候補は、野党4党(民主・維新・結・生活)から推薦を受けた。野党が「共闘」し、自民党の議席阻止を目指すため「政治とカネの問題」のワン・イシューで連携するというのだ。

しかしこの「野党共闘」は、個別政策に隔たりがある各党が、政策で自民党との対立軸を打ち出せないことの裏返しでもある。例えば、原発政策に関しては各党で温度差があり、消費増税では、民主党と日本維新の会が賛成の立場を取る一方で、結いの党と生活の党は反対を打ち出している。

思い返せば、「政権交代」が実現した2009年の総選挙では、「反自民」しか拠って立つところを持たなかった民主党が政権に就き、政治は混乱し次々と国難が具体化した。「反自民」というだけの今回の野党連合からは、そこからの反省が読み取れない。政策の人気、不人気に関わらず、この国を発展させるためのビジョンを、立党から一貫して訴えてきた幸福実現党との違いが際立つ。野党は、建設的な政策議論を欠いた選挙をこれ以上繰り返し、政治を混乱させてはいけない。

候補者は自分の志・ビジョン・政策を、選挙戦で語らなくていいのだろうか。自らの高い志やビジョンをもとに、有権者から逃げることなく自身の政策をはっきりと示し、政策本位の選挙を行うべきだ。

(HS政経塾 和田みな)

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