ドイツ・メルケル首相が中国・習近平国家主席に贈ったプレゼントは「毒入り」だったと、国際ニュース誌TIMEのWeb版が伝えている。

メルケルからのプレゼントとは、1735年時点での清朝の古地図。清の最盛期をもたらした乾隆帝即位の年のものだ。

ところがこの地図、よく見てみるとウイグル自治区、チベット自治区、内モンゴル自治区、そして尖閣諸島と、中国が領土問題を抱える地域はことごとく清の国外になっている。現在自治区となっている地域は、当時、清朝の領土ではなく、乾隆帝が10回にもわたる侵略で版図を広げる前の清領の地図だったからだ。もちろん尖閣諸島が中国領になったことはない。

このプレゼントによって、メルケル首相は習主席に、領土問題や人権問題を非難してお灸をすえたのではないかとネットで話題になっている。習主席との会談後のメルケル首相やガウク独大統領の発言をみると、それもうなずける。

メルケル首相は会談後の共同記者会見で、「言論の自由は社会に創造性をもたらす極めて重要な要素だ」と会談中に指摘したことを明らかにした。ガウク大統領も、自由な意思表明をすると逮捕されてしまう中国の現状に懸念を表明。一方の習主席は、人権問題について一切言及しなかった。

地図を贈ったメルケル首相の真意は不明だが、中国の侵略的行為、言論統制などの問題について、ドイツが厳しい見方をしていることは間違いないだろう。

ちなみに、中国国営の新華社通信は、さすがにこの地図はまずいと思ったらしく、尖閣なども中国領となっている地図にすり替えたようだ。中国政府はこんなところまでウソで塗り固めているのだ。

(HS政経塾 田部雄治)

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