オランダのハーグで24日から核安全保障サミットが開かれるのに合わせて、日米韓3国の首脳会談が開かれる見通しが強まっている。韓国は、19日の国家安全保障会議(NSC)の中で参加の結論に達し、最終調整を行っている模様だ。

一方で韓国政府はこのごろ、北朝鮮との南北統一政策を最重要政策とし、取り組みを活発化させている。目立つのは、朴槿恵(パク・クネ)大統領自身の精力的な活動だ。

朴大統領は「統一はテバク(大当たり)だ!」というキャッチフレーズを掲げており、韓国内で流行語にもなっているという。統一後の経済失速を強く懸念する国内ムードを一変させる狙いだ。

統一の準備にむけた具体的な動きとしては、朴大統領自らが委員長を務める統一準備委員会が4月中に発足する見通しだ。関係する大臣を含めた政府、民間委員の50人で形成され、政府機関、社会団体、研究機関の協力体制をつくる。このほかにも、韓国・北朝鮮にまたがる代表部をソウルの公館に置いた他、21カ国・地域の代表駐韓大使らで構成する「韓半島クラブ」の立ち上げを行っている。

国外へのアピールも精力的だ。朴大統領は、23日からオランダとドイツを訪問し、統一に向けて意見を交換する予定だ。特にドイツでは、南北統一に向けた新たな構想、いわゆる「朴槿恵ドクトリン」を発表するという。かつて同じく「分断国家」だったドイツで南北統一の構想を示すのは、世界への重要なアピールとなる。

問題は400億ドル(約4兆円)ともされる統一の費用だ。2008年、李明博(イ・ミョンバク)政権は、北朝鮮支援のための国際協力経済基金構想の資金源として、「日朝関係改善による『賠償金』が約100億ドル(約1兆円)になる」と、日本の支払い額を一方的に推計している。もし南北統一が成るとすれば、日本に資金援助を求めてくるのは確実だ。

しかし、北朝鮮が国家犯罪である拉致問題で、韓国が慰安婦問題のでっち上げで、それぞれ不誠実な態度を取る中、自分たちの血税が使われることに黙っている日本人はいないだろう。

だが韓国は本気で、日本の「賠償金」を統一のための費用として当て込んでいるのかもしれない。大川隆法・幸福の科学総裁はこのほど、朴大統領の守護霊霊言を収録しているが、朴大統領の守護霊はその中で、「三兆円ぐらい"予備資金"をもらわんと、北朝鮮対策に困るんだけど……。(中略)日本の、その“溢れた血"を抜いて、血圧を下げてやるから、三兆円ほど、こっちへ持ってきなさい。」と述べている(『朴槿恵韓国大統領 なぜ、私は「反日」なのか』)。

そもそも南北統一は、北朝鮮の独裁体制を転換し、北朝鮮のおぞましい人権問題を解決することが前提となる。最初から日本の支援をあてにするのは都合がよすぎる話だ。「統一」と浮き足立つ前に、朴大統領がまず考えるべきなのは、いかに日米韓の結束を固め、北朝鮮の現体制を解体するかである。

(HS政経塾 横井基至)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『朴槿恵韓国大統領 なぜ、私は「反日」なのか』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1114

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