アメリカの議会調査局はこのほど、安倍政権をけん制する内容の報告書を公表した。

報告書は、アメリカ政府が、安倍晋三首相の靖国参拝に対して失望を示す声明を出したことを「異例だった」とし、「首相がアメリカの忠告を無視して靖国を突然訪問したことは、両政府の信頼関係を一定程度損ねた可能性がある」とした。また、「安倍首相の歴史観は、第2次大戦に関する米国人の認識とぶつかる危険性がある」などと、靖国参拝した首相の歴史認識に懸念を示した。

第2次大戦については、アメリカ人の多くが、「日本によるアジアへの侵略戦争を、アメリカが防いだ」という認識を持っている。しかし、その歴史観は明らかに間違っている。

アメリカは大戦中、日本の広島と長崎に2つの原子爆弾を落とし、それぞれ11万人、7万人の市民を虐殺。また東京大空襲では、木造家屋がよく焼けるようにわざわざ焼夷弾を用いた絨毯爆撃を行い、一晩で市民10万人の命を奪っている。

こうした虐殺行為を正当化するため、アメリカは戦後の東京裁判で、「平和に対する罪」「人道に対する罪」という罪を後からつくり、事後法によって東條英機たちをA級戦犯として死刑にしている。そのため、彼らが合祀されている靖国神社に日本の首相が参拝することは、アメリカにとって容認できるものではない。

しかし、先の大戦における日本の戦いは、欧米列強からアジアの植民地を解放し、当時の国際社会でまかり通っていた、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、日本の正当な自衛権の行使としてなされたものである。日本は当時、中国大陸を除けば、アジアの国々と戦ったわけではなく、そこを植民地にしていたアメリカやイギリス、オランダなどと戦っていたのだ。

本欄では、テレビや新聞を騒がす「慰安婦問題」について、慰安婦の強制連行を認めた「河野談話」の撤回を求めているが、植民地支配と侵略について、アジア諸国の人々に謝罪した「村山談話」も、さかのぼって白紙撤回すべきである。アジアを侵略していたのは、欧米諸国のほうなのだ。

中国・北朝鮮の脅威が迫る中、日本とアメリカは本来、同盟関係を強化しなければならない。そのためにも、アメリカこそが自らの歴史を正しく見つめ、「日本悪玉史観」を卒業しなければならない。真の日米同盟は、そこから始まるはずだ。(居)

【関連記事】

Web記事 安倍首相の靖国参拝は当然だ! 歴史捏造の中国・韓国・米国こそ反省すべき

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7153

2013年9月号記事 河野・村山談話は無効である 歴史問題を永遠に葬り去る 大川談話ー私案ー

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6391