東京都知事選が23日、告示された。元日弁連会長の宇都宮健児氏や元航空幕僚長の田母神俊雄氏、元厚生労働相の舛添要一氏など16人が立候補。「脱原発」で小泉純一郎元首相と連携する細川護煕元首相は同日、JR渋谷駅前のスクランブル交差点で、小泉氏と共に街宣を行った。だが、その演説に勢いは感じられず、首相当時の人気は陰りを見せていた。

(※演説の様子は、下記の関連サイト「無責任!細川元首相 街宣第一声を斬る!【ザ・ファクト FAST BREAK#07】」でも紹介)

細川氏は演説で、東京オリンピックについて、「(東日本大震災で)30万人を超える方々が今、東北で避難をしておられる」「それだけの方々が苦しんでおられる中で、もろ手を挙げてオリンピック・パラリンピックの誘致に賛成することは、ちょっと私としては気の重いことでした」と話した。

しかし、そもそも震災の復興とオリンピック誘致は別問題だ。むしろ、オリンピック景気を限りなく大きなものにして、被災地を復興させる力にすることを考えるべきだろう。そうでなければ、福島県知事選挙に立候補するか、あるいは国政選挙で戦うべきではないか。

また、「原発即ゼロということで、再生エネルギー、自然エネルギーに切り替えて、日本の新しい未来を築いていく」と、改めて原発ゼロを訴えた。だが、本欄でも何度も指摘してきたように、エネルギー自給率4%の日本が脱原発を進めれば、火力発電への依存度が一層高まる。

この火力発電は、海外からの化石燃料の海上輸送で成り立っているが、もし、海洋進出する中国にこのシーレーン(海上交通路)を押さえられてしまえば、都知事の使命である「都民の生命と財産を守る」ことは難しくなるばかりか、日本そのものが干上がってしまう。

渋谷には中高年を中心に人だかりができていたが、細川氏が話し始めると「聞こえない!」というヤジが飛び、拍手もまばら。元首相の"神通力"も効かないようだった。

小泉氏も演説し、「脱原発でも東京は繁栄できる」「挑戦する」と脱原発を訴えた。しかし、「原発ゼロにしてどうなるかという問題を、一人で代案を出せるわけがない」と開き直るなど、その姿勢はあまりにも無責任だ。

立候補した16人は、2月9日まで舌戦を行う。日本の繁栄をけん引する東京都の有権者は、この日本の未来を大きく左右するという自覚と責任を持って一票を投じる必要がある。(居)

【関連サイト】

無責任!細川元首相 街宣第一声を斬る!【ザ・ファクト FAST BREAK#07】

http://www.youtube.com/watch?v=aEwBkkV_BFU&feature=c4-overview&list=UU24I2gsaEx_zfrRHQphjj-w

【関連記事】

2014年1月22日付本欄 東京が「首都」でなくなる? 「脱原発」の政策には、経済を衰退させる思想が入っている

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7284

2014年1月14日付本欄 【THE FACT速報】細川元首相が出馬を表明 都知事選は「ご隠居」が出る幕ではない

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7219