上智大学東京キャンパスの体育館に薬品の入った容器が置かれていたことに端を発する、人気マンガ『黒子のバスケ』の作者や関連先を対象にした一連の脅迫事件が、昨年12月15日、容疑者逮捕でようやく終わりを迎えた。

2012年10月の第一犯行現場となったのは、作者・藤巻忠俊氏が在籍していた大学だった。容疑者は犯行直後に、藤巻氏に対する恨みなどを書き込んだ犯行声明文をネット掲示板に書き込んだと見られる。

その後、『黒子のバスケ』に関するイベントやバスケットボール大会を妨害するとの予告状や、出版社、書店、コンビニ店、報道機関などに約500通にも及ぶ脅迫状が次々と送られるなど、犯行規模が拡大していった。

しかも、居住先が特定されるのを恐れて、膨大な数の脅迫状を全国9都府県16カ所から分散して投函するなど、犯行は1年以上にわたる執拗なもので、各関係者や同作のファンたちが受けた精神的な被害はかなり大きいとみられる。

容疑者は、藤巻氏とはまったく面識がなく、大成功を収めた同氏への「やっかみ」の気持ちがあったと供述している。自らもマンガ家やアニメのクリエーターになりたいと思い、高校卒業後に専門学校に入学したものの、1年ほどで挫折して中退している。逮捕前までは、日雇いの派遣社員をしていたという。

今回の事件は、成功者への嫉妬心が犯行動機だった。嫉妬心は、自分の理想や憧れの姿を実現した人に対して出てくる抑えがたい感情だ。

しかし、嫉妬心を野放しにして、自分の理想や憧れの対象を傷つけたり、引きずり降ろしたりすることは、逆に自分を理想から遠ざけることになる。

なぜなら、相手の成功にケチをつけるあまり、その人の努力や才能を正当に評価したり、自分の努力不足を反省することを忘れてしまうからだ。(参考:『繁栄思考』『心を癒すストレス・フリーの幸福論』大川隆法著)

そのケチをつける心が、恨み心にまで成長したのが今回の事件だと言える。

逆に、相手を肯定する祝福の心を持ち、自助努力の精神でコツコツと実績を積むことが、真の成功を呼び寄せることになる。さらに、自分の成功が世のため人のためになるようにと願って仕事を続けることで、多くの人から慕われる徳の力が備わり、協力者を得て、さらに仕事が大きくなるという善の循環が起きることになる。

新年を迎えて、今年一年の抱負を考えている人も多いだろう。

その時、成功者を祝福する気持ちを持つことで、新たな発見や努力目標が見つかることだろう。(宮)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『心を癒す ストレス・フリーの幸福論』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=774

幸福の科学出版 『繁栄思考』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1

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