多国籍部隊に参加も集団的自衛権は行使できず

政府は、アフリカ東部ジブチにある海上自衛隊の拠点を拡充するため、近くジブチ政府との交渉に入ると、7日付産経新聞が報じた。

ジブチ拠点は2011年、ソマリア沖アデン湾で海賊対処にあたる海上自衛隊の活動が長期化することを見越して、駐機場や格納庫、隊員宿舎などの施設を約47億円かけて整備したもので、自衛隊初の海外拠点でもある。

 

今回の拡充は、今年1月のアルジェリア人質事件のような国際テロ事件や大規模災害が起きたときに、在外邦人を救出するための役割を強化することが目的で、政府専用機や自衛隊機の給油、中継地としての機能を整備する。

また、ジブチにはアメリカ軍やフランス軍もそれぞれ2500人ほど駐留しており、邦人救出以外にも、国連平和維持活動(PKO)や国際緊急援助活動の派遣部隊の中継地として期待されている。

 

今年8月、安倍晋三首相が中東・アフリカ歴訪の際にジブチ拠点を視察し、海上自衛隊員に激励と賛辞を贈ったように、米軍など他国との連携で行われる海賊対処は大きな成果を上げている。

ソマリア沖アデン湾は、中東からの石油を輸送するためのシーレーン(海上交通路)の要衝であり、この海域の安全を守ることは国際社会の平和に不可欠だ。アデン湾で起こった海賊等事案は、2011年は237件に上ったが、その後2012年は75件、今年は上半期で8件と激減しており、海上自衛隊は世界に誇れる国際貢献を担っていると言える。

 

安倍首相は今後、自衛隊の護衛艦をアメリカ・イギリスなどの多国籍部隊に加える考えを示しており、情報交換や連合部隊の訓練への参加などが進められる見通しだ。

 

だが、自衛隊の国際貢献を進めるなかで、避けて通れない問題が「集団的自衛権の行使」である。現状の憲法解釈では、例えばソマリア沖でアメリカ軍やフランス軍の護衛艦が海賊からの攻撃を受けても、自衛隊はそれを見ていることしかできない。いくら多国籍部隊への参加と言っても、これでは他国と足並みがそろわない。

 

憲法解釈と実際の国際社会において日本が期待されている役割との間には、すでに大きなギャップが生まれている。自衛隊がソマリア沖で置かれている現実がそれを物語っている。

 

安倍首相は、憲法解釈の変更を早く決断すべきだ。中国・北朝鮮の軍事的脅威を考えても、これは一刻を争う問題であり、政権維持を優先して先延ばしにするべきではない。憲法解釈の変更さえできないようでは、憲法改正などなおさら遠のくばかりだ。(雅)

 

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