2人に1人以上が大学に進学する時代になり、大学の質が問われている。「せっかく大学に入ったのに、期待していた学問の内容とは違った」「専門書を読み上げているだけで、講義が面白くない」という声も少なくないようだ。

現在の大学では、心理学、哲学、社会学、法学、文学、言語学などのさまざまな学問があり、そこから無数の専門分野が派生しているが、一体何のための学問なのか疑問に感じるものも少なくない。

人間の幸福に最も直結しているべき宗教学は、今では、過去の宗教の文献を研究するだけの学問になっている。心理学も、人々を悩みから救い出そうとするものであったはずだが、人々の心を分析・分類することのみに着目し、救済力を失っている。

また、「ハーバード白熱教室」として知られるサンデル教授の講義は、学生に活発に議論を促し、考えさせる手法に注目が集まった。例えば「5人を助けるために、1人を殺さなければならない」というシチュエーションをさまざまに設定し、その場合どうするかを学生たちに考えさせる。

しかし、「こうした問題は、過去の偉大な哲学者さえ解決できない問題であったが、道徳に関する熟考をやめてはならない」と、議論の大切さを訴えるものの、肝心の結論は見えないままだ。

ハーバード白熱教室のみならず、現在の大学では「価値相対主義」の名の下に、価値判断をしないことが学問的であり、フェアな姿勢であるかのように考えられている。

こうした現在の学問のスタンスに対して、真っ向から挑戦しようとしているのが、2015年に開学予定の「幸福の科学大学」であり、開学時に開設される「人間幸福学部」である。その学問の理念を語った『「人間幸福学」とは何か』 (大川隆法著)が、6日より全国の書店で発売される。

幸福の科学では、その名が示すとおり、人間を幸福にし、「ユートピア社会」を建設するための考え方や知識体系を積み上げてきた。

学問も、本来、人々を幸福に導き、社会の発展に寄与するものであるべきというスタンスから、「人間幸福学」では、幸福の科学の教義や活動を一般化した学問のかたちで抽出し、いろいろな形で応用できるものにしていく。

さらには、国際紛争、宗教対立など、全世界規模で問題が起こっている現在、かつての哲学や宗教、その他の諸思想が求めていたものを整理・統合して「人間の幸福」という観点から価値判断をし直す必要がある。究極には、「神の心はどこにあるのか」というところまで探究しなければ、現代の諸問題は解決できない。

実用性を大事にしながらも、現代的な問題に対して勇気ある価値判断を示し、社会の発展に寄与する「人間幸福学」。本書を読むことで、新たな学問の胎動が始まっていることを感じ取ることができるだろう。

【関連書籍】

幸福の科学出版 『「人間幸福学」とは何か』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1046

同書アマゾン紹介ページ

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幸福の科学出版 『新しき大学の理念 ―「幸福の科学大学」がめざすニュー・フロンティア―』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1036

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2013年12月号特集記事 「人間幸福学」の理念とは ──学問の始まりに帰る - 大学の使命2 - なぜ、新しい学問の創造が必要なのか

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