日本の外務省は23日、動画サイト「You Tube」に、竹島と尖閣諸島が日本固有の領土であることをアピールする動画を公開したことを発表した。すでに公開中の日本語版に加え、来週、英語版を公開予定で、来年1月までに中国語、フランス語、韓国語など10カ国語版も公開し、国際社会に向けて広報活動を強化していく。

公開している動画では、竹島に関して、1951年のサンフランシスコ平和条約で日本が放棄すべき領土に竹島が含まれていなかったことなどから、国際法上、日本の領土であることを紹介。尖閣諸島に関しても、戦後、中国が、新聞や地図などで尖閣諸島を日本の領土と記載していた事実を示している。

動画の公開を受けて、韓国外務省は23日、「韓国の独島(竹島の韓国名)領有権毀損を企てていることに強く抗議する」と動画の削除を要求。中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官も、「一切の挑発行動を停止するよう日本側に強く求める」とのコメントを発表した。

日本政府は「領土問題は存在しない」との立場で、これまで、中国や韓国を「相手にしない」という態度を取り、積極的に反論してこなかった。しかし、韓国は、広告による喧伝やメディア戦略に熱心に取り組んでおり、昨年末、独島は韓国のものだと主張する動画を公開。今年9月末までに第二弾の動画を公開しており、11月末までには7カ国語に翻訳する。

日本も引き続き、動画の公開や外国語での発信、広告展開など、国際社会へのアピールを強化すべきだが、肝心の政治家の姿勢が弱腰であれば意味がない。

安倍政権は、島根県が毎年2月に行う「竹島の日」記念式典を、当初、政府主催で開催する予定だったが、韓国の反発を恐れ、結局は、県主催となった。また安倍晋三首相は、韓国・中国への配慮と、両国を刺激したくないアメリカへの配慮から、靖国神社の参拝も見送り続けている。このようなちぐはぐな対応では、いくら広報活動を強化しても、国際社会でのインパクトは極めて弱くなる。

政府が国際的なアピールを強化するのはもちろんだが、それ以上に、政治家が必要のない他国への配慮をやめ、自国の領土を守る意志を明確にすべきである。(晴)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『国を守る宗教の力』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=816

【関連記事】

2013年6月4日付本欄 【海外論壇】 竹島"返還"で安倍首相にノーベル平和賞? 韓国の工作なのか

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6127