韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、就任よりこの方、反日路線を貫いている。アメリカ外遊で日本の歴史認識の批判をわざわざ持ち出したり、習近平・国家主席との会談で伊藤博文を暗殺した安重根の像を、抗日の記念として暗殺現場に建てるよう提案したりしている。その結果、日韓関係は極度に冷え込み、日韓首脳会談はいまだに開かれていない。
朴大統領は依然として高い支持率を維持しているが、韓国内では行き過ぎた反日ぶりには「やりすぎ」との声が上がり始めている。
今月11日付の朝鮮日報は社説で、「北朝鮮の核問題を始めとする東北アジアの安全保障問題では、日韓の協力が不可欠だが、現状では外交面での接点が見当たらない。こうした状況を喜ぶのは誰なのか考えなければいけない」と論評した。
8日付の中央日報のコラムでは「財政赤字に苦しむ米国は今後10年間、9500億ドルの国防予算を減らさなければならない。安倍首相の日本は自ら要望し、その負担の一部を引き受けると名乗り出た。ノーと言わない日本を嫌う理由はない。もう一つの同盟の韓国が日本の軍事力強化に反対するが、米国としては厄介なだけだ」という意見が出ている。
北朝鮮の核兵器が韓国の安全保障を脅かす中で、韓国にとって日本との関係が重要であることは言うまでもない。もし朝鮮戦争が再開すれば、日本は米韓軍の兵站基地の役割を果たすことになる。日米韓の結束を強化することこそが、韓国の生き残る道である。
韓国在住の政治学者であるカール・フリードホフ氏は10日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)への寄稿で、「日本が韓国と協力する姿勢を示している時に、韓国が理由もなく日本と協力したくないように見られれば、アメリカとの関係にも距離ができるだろう」と論じている。
安倍首相が自民党総裁にカムバックして以来、韓国ではメディアを中心に、首相の一挙手一投足や国防強化の動きを「軍国主義の復活」に結び付ける、ヒステリックな論調があふれている。だが日本の国防強化は、韓国に万が一があった時に日米が共同で助けを差し伸べるための力になる。「反日集団ヒステリー」が国を滅ぼすということを、韓国は理解しなければならない。
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