韓国が再び「従軍慰安婦問題」を蒸し返している。韓国外務省は30日の報道官声明で、元慰安婦の請求権に関する二国間協議に日本が応じていないことに、「深い遺憾を表明する」とコメントした。日本側はすでに「解決済み」の問題として、協議には応じない構えだ。

日韓の問題ととらえられがちな従軍慰安婦問題だが、韓国人団体のプロパガンダなどで、アメリカにも拡大している。そのプロパガンダに中国が関与していることを疑わせる事例は、最近でも後を絶たない。

アメリカで進む慰安婦像の設置については、中国系の反日団体「世界抗日戦争史実維護連合会」(抗日連合会)が暗躍しているという説もある。同団体は公式サイトで、ニュージャージー州やニューヨーク州に慰安婦記念碑が設立されたことを、広報活動の成果として紹介するなど、積極的なPRに余念がない。最近では7月にカリフォルニア州グレンデール市で慰安婦像が設置されたが、31日付産経新聞の古森義久氏のコラムによれば、抗日連合会が韓国系団体を背後から全面支援したという。

また、抗日連合会の創設者のイグナシアス・ディン氏は7月31日付の英字紙チャイナ・デイリーで、「サンフランシスコ市議会で橋下徹大阪市長の慰安婦問題への発言を非難する決議を起草した」「マイク・ホンダ氏がアメリカ下院での慰安婦決議を提出した際も、背後で支援した」などと紹介されている。この問題がアメリカで拡大する背景には、ディン氏ら中国系団体の精力的なロビー活動の影響もあるのだ。

慰安婦像設置の動きに加え、自国に住んでいた韓国人元慰安婦を、中国が対日外交カードとして韓国に"供給"するかのような動きもある。7月10日付ロサンゼルス・タイムス紙は、グレンデール市の慰安婦像について報じる中で、韓国人元慰安婦の姜日出氏と李玉善氏を紹介している。この2人は、終戦まで中国で慰安婦をしていた後、戦後も中国に住んでいたという。そして、戦後数十年経った近年、なぜか韓国に戻ってきて、現在は元慰安婦の共同施設「ナヌムの家」で暮らしながら、日本を糾弾する講演活動などを行っている。

ナヌムの家には他にも、朴玉善氏や金順玉氏など、高齢になってから中国から韓国に帰国した元慰安婦が生活している。しかし彼女らは、なぜわざわざ高齢になってから韓国に戻ってくるのだろうか。90年代に対日訴訟の原告となった金学順氏をはじめ、次から次へと新しい「元慰安婦」が出てきては脚光を浴びるが、まるで中国が証言者を供給しているかのように見えなくもない。

中国としては、韓国人団体などの裏で糸を引き、慰安婦問題のプロパガンダを国際的に広めようとしているのだろう。同じ“戦勝国"である欧米諸国と「日本はひどい国だ」という共通認識を創り、日本を封じ込める枠組みを作ろうとしているのだ。

しかし、旧日本軍が慰安婦を強制連行したという証拠はないし、そもそもこの問題は日韓基本条約を締結した際に解決済みだ。日本は、歴史を捏造する動きに対し、何が正しい歴史かを国際社会に向けて発信しなければならない。だからこそ、日本の戦争責任や慰安婦問題の責任を認めた河野・村山談話を撤回し、政府の新たな歴史認識を示す必要がある。慰安婦問題では、韓国の動きを封じるだけでなく、中国の「日本包囲網」づくりを阻止するためにも早急な対応が必要だ。(晴)

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