安倍晋三首相は26日、米ニューヨークで開かれた国連総会で一般討論演説を行った。演説では最初に「積極的平和主義」などについて触れたが、後半は「女性が輝く社会」についての話題が占めた。

まず、国内における女性の社会進出を促すことで、成長率が高くなるという「ウィメノミクス」を紹介。さらに国際的にも女性の社会進出、女性を対象とする保険医療分野の取り組み、女性の権利を守るために、今後3年間で30億ドル移乗のODAを実施することを表明した。

国連総会一般討論演説は、日本の方針を国際社会にアピールする大きなチャンスである。安倍首相が、そうした演説の大部分を、女性の権利や活躍に当てた背景には、従軍慰安婦問題が米国はじめ国際社会に注目されたことがある。

米国ニュージャージ州にて「慰安婦の碑」を建てるなど、韓国人の米国でのロビー活動等もあり、「日本は女性の権利を軽視する」かのようなイメージが抱かれつつある。今回の演説は、これを打ち消すために、女性重視の姿勢を打ち出した、国際的なイメージ戦略の一環と言える。

安倍首相の演説を受けて、韓国の尹炳世外相が反論してきた。日本の岸田文雄外相に対し、「歴史問題の本質をごまかすことは決して受け入れられない」と述べた。「慰安婦問題の謝罪に応じない日本が女性の権利を主張するのは詭弁だ」とする声が韓国から出ているのだ。

しかし、本欄でも指摘しているように、そもそも従軍慰安婦は捏造である。日本国の従軍慰安婦が存在したという、信用に足る証拠が一つも存在しない上に、「慰安婦20万人連行」に矛盾する事実が多すぎる。「日本が女性の権利を貶める野蛮な民族だ」というイメージが強まっているとすれば、それは韓国の政治的なプロパガンダに過ぎず、耳を貸してはいけない。

安倍首相は「女性が輝く未来」を目指しているようだが、日本にはそのヴィジョンを世界に発信する資格が充分にある。日本の歴史では、女性の存在感が異常に強いのだ。

なんといっても、日本国の主宰神が天照大神だ。西欧のイエス・キリストに当たる存在が、女性である。歴史上の指導者にも女性が多い。卑弥呼、推古天皇、持統天皇、光明皇后、北条政子などは男性よりも徳高き指導者として名を馳せた。女性の方がリーダーとなることで、国家や組織がよく治まる、という注目すべきモデルが無数にあるのだ。

また、武士の時代でも、家を守る女性は尊敬を得ており、彼女たち自身も誇りを持っていた。夫の活躍を支える女性の生き方に、日本の男性たちは頭が上がらなかった。この「内助の功」は、「武士道」に比肩される哲学と言える。

現在、女性の社会進出の機会を増やすため、経済や政策的な課題はある。しかし、日本にはリーダーとしても、妻としても、世界に誇るべき女性の活躍モデルがある。「日本は女性が虐げられる国だ」というイメージに対しては、「日本人女性を侮るなかれ」と言わなければならない。「クール・ジャパン」の大きな象徴として、今こそ日本人女性をアピールするときだ。(光)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『神に誓って「従軍慰安婦」は実在したか』 大川隆法著

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