打ち上げが延期されていた、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の国産ロケット「イプシロン」の打ち上げが14日、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で行われ、惑星分光観測衛星を分離することなどに成功した。
今回の打ち上げ成功は、JAXA(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)や宇宙開発の関係者のみならず、2020年の東京オリンピック開催決定に続き、日本国民を勇気づける大きな役割を果たしている。
イプシロンは、小型・軽量・低コストと三拍子そろった新型ロケット。打ち上げ能力は250~500km低軌道で1200kg、500km円軌道で700kgであるが、ノートパソコン2台で管制制御できるため管制塔の人員負担も軽く、最新型で搭載能力が最大16500kgもあるH-2Bロケットが100 人規模であるのに対し、10人程度で十分である。さらに、H-2ロケットの補助ロケットエンジンをそのまま使用。独自に開発した自動診断装置を備えるなど、徹底的にコストの削減に取り組んできた。
そのイプシロンに追い風が吹くかのように、近年、ロケットに搭載する衛星が大型よりも小型のものへの需要が急速に高まっている。政府や国際機関、通信会社のみならず、一般の企業の間でも非常用や高速データ回線の必要性などから小型衛星を保有する動きが活発となっている。
さらに、大学などの研究機関も地上や惑星観測などのために、超小型の、通称「空き缶衛星」を打ち上げて利用する例が増え、お金をかけずに衛星を打ち上げたいという新興国も増えている。アメリカやロシアをはじめ、宇宙産業を成長産業としてとらえる各国間の開発競争も激化している。
今回の打ち上げ成功は、海外に「宇宙産業に、日本あり」ということを示す格好の機会となったことだろう。関係者のこれまでの努力に感謝したい。だが欲を言えば、日本の技術力の高さを国際社会にアピールするためにも、関係者には、2020年の東京五輪に向けた宇宙関連のビッグイベントを用意することを期待したい。(弥)
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