国際宇宙ステーションで、"ロボット宇宙飛行士"の「KIROBO」が初めて会話をしたと、5日にプロジェクトチームが行った会見で発表された。

キロボは体長34センチメートルで、重さは1キロ。人工知能を備えており、11月から国際宇宙ステーションに滞在する若田光一さんと日本語で会話するようにプログラムされている。会話は録音され、ロボットが長時間にわたって孤立状態に置かれた人にいかに精神的サポートを与えられるかなどが研究される。つまり「KIROBO」には、宇宙飛行士の話し相手になって孤独を慰めるというミッションもあるのだ。

ロボット産業は、日本の次の基幹産業になる可能性を秘めている。日本では、二足歩行ではない産業用ロボットが次々と開発され、現場に普及してきていた。近年では「ASIMO」をはじめ、二足歩行のロボットも次々と登場。人工知能も開発が進んでおり、介護分野でも実用化が始まっている。

日本でロボットの開発や普及が進んでいる背景に、「ドラえもん」や「鉄腕アトム」などのアニメ作品で、ロボットが人間の友達のように親しまれていることが指摘されることも多い。逆に欧米ではこれまで、人造人間の「フランケンシュタイン」や「ターミネーター」など、「ロボットが人類に反逆する」という筋書きの作品が多く、ネガティブなイメージを持たれがちだった。

今回の"ロボット宇宙飛行士"開発のねらいは、世界各国に、ロボットに対するポジティブな印象を持ってもらうということもあるようだ。プロジェクトに参加したロボ・ガレージのロボットクリエーター・高橋智隆氏は、3日付日経新聞電子版で「今回のような実証実験をすることで、人とロボットが自然に話をし、一緒に暮らしているイメージを世界に向けて発信できる」と話している。

家事ロボットや介護ロボット、話し相手ロボットなど、一昔前は夢だと思われていたロボットが次々と実現している。日本での普及とともに、海外諸国への輸出も可能だ。世界中で、ロボットが当たり前のものとして捉えられる時代が来るのも、そう遠くないかもしれない。(晴)

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