日本経済新聞社が行った2013年度「研究開発活動に関する調査」によると、主要261社のうち24%にあたる63社が昨年度より研究開発費を2桁伸ばすことがわかった(8日付日経新聞)。

研究開発費は、4年連続で増加しており、上位10社の合計は、リーマン・ショック前の水準に戻りつつあると言う。

これぞ日本経済の明るい材料だ。

日経新聞によると、研究開発上位10社は、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、パナソニック、ソニー、日立製作所、デンソー、東芝、武田薬品工業、キヤノン。

日本を代表する、錚々たる製造業がずらりと並ぶ。

言うまでもなく、研究開発費は、単なる費用ではなく、未来の収益を生み出す重要な投資である。トヨタやソニーなど、多くのメーカーは最近、収益の多くを金融業に依存する傾向が見られた。しかし、今回、研究開発費を大幅に増額しているということは、「ものづくりをあきらめていない」という経営判断が働いていることを示している。

これは日本の産業の未来において、決定的に重要だ。

国の発展というのは、単に企業が利益を出せばいいというものではない。

ものづくりの振興によって、国民生活を向上させるような新たなサービスを創り出し、雇用を創出することで、本当の意味での豊かさが生まれる。

企業が単なる利益のみを追求しているのか、それとも、本当の豊かさを追求しているのか、それを判断する指標の一つが、研究開発費だ。

最近、株価の推移は不安定だが、日本の企業は未来を見据えている。長期的な展望は明るいと言えるだろう。(村)

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