今回の参院選では、安倍政権の経済政策であるアベノミクスが争点になっている。各党の候補者らはどのように議論を戦わせているのだろうか。10人が立候補する注目の激戦区、愛知選挙区の公開討論会を例に、各党候補者の経済政策の主張を比較してみた。

以下に、2日に愛知県半田市で開催された公開討論会(主催:日本青年会議所)で議論された主な参加者の発言を紹介する(発言順)。この討論会の映像は同会議所のホームページ「e-みらせん」で公開されている。

幸福実現党 中根裕美氏

2009年からインフレ目標値の設定、金融緩和、規制緩和を訴え続けてきたが、アベノミクスはこれらの政策そのまま。さらに今、「法人税減税」というアクセルを踏まねばならない。子育てしやすい社会環境づくりのためにも、実体経済を冷え込ませる消費税増税には断固反対する。

民主党 大塚耕平氏

アベノミクスに関しては、産業政策については同じ考えだが、財政出動は、今の財政状況を見るとリスクを伴う。また、金融の超緩和も、のちのち正常化できるのか懸念がある。マクロ経済政策はもちろん活用するが、過ぎたるは及ばざるが如し。産業政策をきっちりとやっていきたい。

日本維新の会 近藤浩氏

アベノミクスの恩恵にあずかったのは個人投資家と富裕層だけだ。定期昇給をした企業はあるが、賃金水準のベースアップをした企業はない。これから消費拡大のために、所得税減税を行うべき。また、衰退産業から成長産業への人材移動を促す。

自民党 酒井庸行氏

アベノミクス3本の矢についてだが、金融緩和は日銀黒田総裁になって実際に始まったし、財政出動はみなさんのところにお金が流れていく、これから結果が出る政策だ。成長戦略を打ち出すことで、民間企業に確実な動きをしていただけるようにする。

減税日本 宇田幸生氏

アベノミクスは評価していない。その効果が実体経済に反映されていないにもかかわらず、消費税増税に舵をきることを懸念している。過去に消費税を増税した後には、法人税、所得税の税収が全部下がってしまった。

今回の討論会では、自民党の候補者がアベノミクスの実績をアピールしたほか、減税や規制緩和を訴える候補者も多く見られた。しかしそれらは、幸福実現党が4年前の立党当初から訴え続けてきたことである。

その幸福実現党公認の中根候補の発言からは、「幸福実現党は他党の経済政策を実質的にリードしてきた」という自負がにじみ出ていた。「子育てしやすい社会づくりのためにも消費税増税反対」と訴え、現役の保育士として庶民目線を大切にする同候補。託児施設の副園長として経営に携わる中で身に付けたバランス感覚が、政治家としても強みになっているのだろう。(晴)

【参考書籍】

幸福の科学出版HP 『夢のある国へ――幸福維新』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=107

【関連記事】

参院選 経済編 消費税を上げても大丈夫?(そもそも解説)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=5833

【参考サイト】

幸福実現党ホームページ

http://hr-party.jp

日本青年会議所HP「e-みらせん」

http://www.e-mirasen.jp/