独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が愛知県沖のメタンハイドレートからガスを取り出す実験は、成功裏に終了した。海面下1000メートルの海底に深さ330メートルの穴を掘り、メタンハイドレートからメタンガスを取り出していたが、管に砂が混入してポンプが故障し、18日、2週間の予定を1週間で切り上げた。ただ、目標量の10倍程度のガスを安定して取り出せたため、実験の目的は達成したという。

JOGMECは今後、取り出したガスの成分を分析し、技術改良を図って2014年度に再び生産実験を行う。商業化されるのは2020年以降になるという。日本近海には、現在日本が消費している天然ガス100年分のメタンハイドレートがあるとも言われる。

日本のメタンハイドレートと比較されるものに、アメリカのシェールガスがある。アメリカでは近年、シェールガスを安く採掘できるようになったことを「シェールガス革命」と呼んでおり、現地では失業率が改善したり、取れたガスを国内輸送するためのパイプライン事業などで、関係各社が潤っている。日本企業もパイプライン用パイプの生産能力を増やして対応し、アメリカがシェールガスを輸出するための液化プラントの受注を目指している。メタンハイドレートからガスが安く取れるようになれば、日本でもこうした関連効果が生まれるだろう。

メタンハイドレートの研究は世界で日本が最も進んでいるため、日本近海で最も多く発見されているが、アメリカのメキシコ湾などにも存在すると見られる。アメリカもその可能性に興味を持ち、日本に技術提供を期待している。こうした点で国際協力を進めることと引き換えに、アメリカがシェールガスを日本に安く売ってくれることも期待できる。

メタンハイドレートの実用化に成功すれば、日本はエネルギーを自給できるようになり、関連インフラ需要が生まれる。そればかりか、日本の国際交渉力を高めるエネルギー資源として外交力にもなるだろう。産出費用の低下を含め、今後の開発成功を期待したい。(居)

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