終戦記念日の15日は、中国が過去、この日の閣僚の靖国神社参拝にクレームをつけてきた経緯から、日本国の主権や日本人の主体性が改めて問い直される日である。まさにこの日を狙って象徴的な事件が起きた。
まず靖国参拝については、幸福実現党の立木秀学党首は党役員数名と共に、一昨年、昨年に続いてこの日、謹んで昇殿参拝を行った。立木党首は同日、「先人たちの戦争での尊い犠牲と戦後復興の尽力の上に、今日の平和と繁栄があることに改めて思いをいたし、対外的な危機が迫りつつある我が国を守り抜く決意を新たにする」とのメッセージを発表した。
大川隆法総裁は、「靖国神社では、まだ相当数の英霊が成仏できずにおり、きちんとした霊界知識と供養の心をもって、本来は国のレベルで弔う必要がある。国を守るために勇ましく戦った人たちを、その国の人たちは祀る権利がある」との主旨を述べている。ゆえに、閣僚の靖国参拝に他の国が文句をつけるのは内政干渉に他ならないが、野田佳彦首相や重要閣僚はこの日、靖国神社に参拝しなかった。首相を中心とする民主党政権は、命を捨てて国を守った英霊に対する尊敬よりも、他国政府の顔色のほうが大事なのだろう。要するに彼らは愛国心のレベルにおいて、他国からの蹂躙に屈しているのである。
そして15日午後、香港の反日活動家グループ7人が尖閣諸島の岩場に上陸し、計14人が出入国管理法違反の疑いで、待機していた沖縄県警に現行犯逮捕された。こちらは、日本固有の領土に不法に立ち入ったわけだが、その本質は靖国参拝問題と同じである。尖閣では目に見える「国土」が傍若無人に立ち入られ、靖国参拝問題では、日本人の目に見えない「供養の心、愛国心、民族の魂」が、同じく土足で踏みにじられてきたのだ。
だが領土も魂も、こちらが断固とした姿勢で守りを固めていれば、そう簡単に侵せるものではない。にもかかわらず終戦記念日という大切な日に狙われるのは、日本の側の「自分たちの主権を守り、愛国心を守る」姿勢が決定的に弱いからだ。先般の韓国大統領の竹島上陸と今回の尖閣上陸を教訓として、日本は毅然として領土を守る具体策を打ち出すと共に、自国の平和と発展のための正当なる愛国心を固めねばならない。(司)
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