国際オリンピック委員会(IOC)理事会は23日(日本時間24日)、2020年夏季五輪開催都市の一次選考を行い、東京、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)の3都市を2020年夏季五輪正式立候補都市として認定した。2013年9月に開かれるIOC総会での最終決定に向けて、オリンピック誘致合戦がいよいよ本格化する。
東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会のサイトによると、2020年夏季東京五輪の開催ビジョンは「ニッポン復活」だ。2011年3月に起きた東日本大震災からの復興をアピールし、"元気・夢・希望に満ちた日本の将来"を築くために、東京での五輪開催の実現を目指している。
IOC作業部会の報告書によると、今回東京は、宿泊施設や輸送・通信を中心に高評価を得た。しかしエネルギーの項目では、原子力発電の見直しに伴う電力不足のリスクや、電力会社の経営不安を指摘し、比較的低い評価にとどまった。
東京は今後の課題として、"国民の支持不足"を解消する必要がある。
3年前の2016年夏季五輪招致の最終選考で、東京は「南米で初の五輪」を掲げたリオデジャネイロ(ブラジル)に敗れた。敗因は"五輪誘致に対する国民の支持率の低さ"だったと言われる。「なぜ東京で二度目の五輪を開催しなければならないのか」を国民が十分に理解できず、支持率が低迷していたのだ。
今回も同様の懸念がある。2020年夏季五輪の選考に関するIOCの世論調査によると、今回の3都市住民の五輪に対する支持率はマドリードの78%、イスタンブールの73%に対し、東京は47%とかなり低い。IOCは東京に対し、「これからの招致レースでは世論を喚起することが求められる」との意見を表明している。日本国民が「2020年夏季五輪を東京で開催する意義」を理解し、その実現に夢を抱き、支持できるかどうか。今回もまたその点が、誘致の成否を左右するかもしれない。
東日本大震災から1年以上が経過したが、民主党政権の「決められない政治」のせいで日本は未だに閉塞感の中にある。"ニッポン復活"を世界に示し、日本人自身が明るい日本の未来をイメージしてそれを実現させるためにも、2020東京五輪誘致が活発化することを望みたい。(飯)
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