戦後の日本では、現憲法が宗教を否定的に規定していることもあって、無神論者が多いと言われるが、「無神論者は強姦犯と同じぐらい信用できない」とする調査研究がアメリカの心理学の専門誌に掲載され、話題を呼んでいる。AFP通信や、米オンライン紙のクリスチャン・サイエンス・モニターなどが報じている。
この研究は、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学博士課程のウィル・ジェルベー氏らが執筆したもので、アメリカの成人350人とカナダの学生420人を対象に質問し、分析を加えた。
これによると、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、同性愛者の男性、フェミニスト、無神論者、強姦犯の中で、無神論者が最も「信用できない人」で、それは強姦犯と同程度だと分かった。「宗教を信仰している人々が多数派の場所、つまり世界のほとんどで、無神論者は最も信用できない人々のグループに入る」と論文の共同執筆者は述べている。
一方、神の信仰を表明する人は「信頼できる人」と認識され、これは「神が自身の行動を見ていると感じていれば、人はよりよい行動を取る」という共通の感覚に基づくとしている。
英国の調査会社が今年4月に世界24カ国で行った信仰に関する意識調査で、日本では67%の人が「宗教を信じていない」と回答し、最も「無宗教者」が多かった。この人たちがすべて「無神論者」ではないだろうが、世界の常識から言えば、無神論者に分類される。もしこの世論調査結果を世界の人が知れば、日本人の大半について「信用できない」と判断されるのだろうか。
大国の国民が「強姦犯と同じ」と見られているなら、何とも情けない話だ。日本人は戦後の無神論・無宗教の風潮を克服する時期にきている。(織)
【関連記事】
2012年1月号記事 新宗教15の疑問 - マスコミ、ネットではわからない「幸福の科学」