【加計問題】学校設立の塾経営者が実感「認可制の実態は、参入障壁だ」

【加計問題】学校設立の塾経営者が実感「認可制の実態は、参入障壁だ」

 

《本記事のポイント》

  • 加計学園「認可保留」を決めたのは、加計学園のライバルたち!?
  • 認可行政は、既存の学校による「参入障壁」の仕組み
  • 認可システムこそ「教育の質」のネックになっているのでは

 

もし、ある地域に出店しているコンビニの店長たちが審議して、「その地域に新たなコンビニチェーンが参入していいか」を決められるとしたら、どうだろうか――。

 

「加計学園」獣医学部の認可判断がこのほど、保留されることになった。認可したくなかった関係者にとって、あれだけの騒ぎになったことは、「追い風」になったことだろう。

 

ここで、「認可保留」を決めた「審議会」のメンバーに注目してほしい。既存の獣医学部の関係者や、全国の獣医をまとめる獣医学会の役員などが大半を占めている。つまり、新たな獣医学部のライバル、あるいは卒業生のライバルに当たる人たちが、認可を渋っているのだ。

 

審議会は「獣医学部の数が多すぎる」「教育の質が不十分」といった理由を挙げている。しかし、「新規参入を増やして競争させた方が、質が上がる」というのが、他の業界の常識だ。

 

この「参入障壁」が、日本の学校教育が進化する可能性を奪っている面がある。

 

 

認可は、経営学的に見ると「学校をつくらせない」仕組み

塾経営などを営み、インターナショナルスクールの開設を目指すAさんは、「認可システムの実態が『参入障壁』である」と、実感しているうちの一人だ。

 

インターナショナルスクールといえば、英語の授業などにより国際性を身につけさせ、個性や才能を育む教育方針などが特徴的だ。日本の公教育については、「画一的な教育をするため、子供の個性や才能を潰している」と指摘される。こうした問題意識が強い保護者にとって、インターナショナルスクールは、魅力的な選択肢となる。

 

塾経営で多くの実績を収め、定評を得てきたAさんは、新たな教育モデルづくりを追求するため、新しく学校を創ることを決めた。

 

しかし、開校準備を進めるうちに、大変なことが分かった。それは、「認可を受ける前に、決められた規模の建物、決められた人数の教員を揃えなければいけない」ということだった。つまり、もし設備や人員に大きな投資をした上で「不認可」となれば、全てが無駄になる仕組みなのだ。

 

「事業は小さく、手堅くはじめる」のは、経営における常識だ。事実上、現在の認可システムは、経営学的に見て「新規参入を許さない」ものになっている。

 

そこでAさんは、まずは認可のないインターナショナルスクールを開校し、軌道に乗ったら設備・人員を揃え、認可申請することを決めた。

 

 

「行政指導」の裏に、既存の学校!?

しかし、またもや「参入障壁」が現れた。

 

ある時、Aさんは、自治体の庁舎に呼び出される。「無認可のインターナショナルスクールは、児童が普通教育を受ける権利を損なわせる」ことや、生徒募集の広告などに「小学校」という表記をしていることなどに対する行政指導だった。

 

Aさんは、自治体側の指摘・質問に、真摯に対応しているという。

 

しかし、客観的に見れば、この行政指導には、いささか違和感がある。例えば、認可のないインターナショナルスクールは全国にあり、自治体の中にもいくつか存在する。中には、「学校」を名乗る形で運営しているところも多い。そもそもインターナショナルスクールに子供を入れる親は、「子供に教育を受けさせない」のではなく、「より質の高い教育を受けさせる」ために入れている。

 

厳しい行政指導に対し、「背景に何かあるのではないか」と勘ぐってしまいたくなる。

 

例えば、その地域には有名な私立小学校がある。その学校法人を創設・運営する名家と、現在の自治体の首長とは、関係が深いと言われている。また、地域内の小学校を認可する審議会の名簿を見れば、地元の教育関係者ばかりの名前が並ぶ。既存の学校関係者が、新しく学校を創ろうとしているAさんに圧力をかけているという見方は、行き過ぎだろうか。

 

実際に、「行政を刺激したくない」として匿名での取材を希望するAさんからは、「行政が恣意的な判断をしかねない」という懸念が、ひしひしと伝わってくる。

 

 

認可システムこそ「教育の質」のネックになっているのでは

Aさんはこう語る。

 

「教育界の既得権益は予想以上に強固なものです。加計学園ではありませんが、それこそ政治家や役人の力を使わないと、事実上、『学校をつくらせない』仕組みになっています。実際に調べると、国内で認可を受けているインターナショナルスクールの多くは、自治体とタイアップするなど、行政と結びついたものばかりでした」

 

こうした例は全国にあるはず。もしその結果、「新たな教育モデル」の芽が摘まれているとすれば、損をしているのは親や子供たちだ。学校の認可システムは「教育の質を確保する」ことを謳って運用されているが、参入障壁こそ「教育の質」のマイナスになっているのではないか。

 

もし、既存の学校が「新規参入」を阻みたいなら、正々堂々と努力をして、「教育の質」で圧倒すればいいはずだ。

(馬場光太郎)

 

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タグ: 加計学園  認可  参入障壁  教育  審議会    生徒募集  行政指導  

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