「加計学園」問題も「森友学園」問題も、アメリカなら起きなかった

「加計学園」問題も「森友学園」問題も、アメリカなら起きなかった

アメリカ建国140年前に設立されたハーバード大学。アメリカでは、日本のような学校設立の認可制度はない。(f11photo / Shutterstock.com)

 

《本記事のポイント》

  • 「加計問題」「森友問題」「文科省天下り」も許認可を巡る「不正疑惑」
  •  アメリカでは日本のような許認可制度がない
  •  当時の早慶も今なら「不認可」!?

 

教育行政をめぐる「不正疑惑」が立て続けに取り沙汰されている。共通点は、「学校への許認可などの裏に、学校と政府の癒着が疑われている」という点だ。

 

 

「加計学園」問題

今、最も揺れているのは「加計学園」問題。文科省が、同学園の「獣医学部」新設の認可を渋っていたことに対して、官邸が認可するよう圧力をかけたというのだ。

 

騒動の発端は、内閣府から文科省に対して「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っていること」と伝えたとされる文書が出てきたこと。

 

これが問題視されているのは、学園の理事長が、安倍晋三首相が「腹心の友」とまで呼ぶ、長年の友人だったため。「"公正"であるべき認可の判断が、首相の個人的な便宜のために歪められたのではないか」と批判されているのだ。

 

 

「森友学園」問題

「森友学園」問題も構図は似ている。

 

主に問題視されたのは、財務省が新設される小学校のために、国有地を破格の安さで学園側に払い下げたことだった。

 

学校設立認可のためには、大規模な土地や建物を用意しなければならない。会社のように小さく始められないため、運営者には資金面で大きなハードルとなる。今回の払い下げは事実上、この認可へのハードルを下げるための便宜と言える。

 

この背景にも、「理事長と首相夫人の個人的なつながりがあったのではないか」と指摘されている。

 

 

「文科省の天下り」問題

今年は、文部科学省の天下り問題も注目を集めた。組織ぐるみで、法律で禁じられた大学などへの天下りのあっせんが行われ、43人が処分された。

 

この背景にも、「文科省が大学設立の認可をするといった便宜と引き換えに、天下りを受け入れさせる」という構図が指摘されている。

 

 

「下村・元文科大臣」問題

2014年には、下村博文・元文科相と、学校との癒着も取り沙汰された。

 

下村氏は、37年ぶりの医学部新設を東北薬科大学に認可した。その後、選挙区と無関係の東北地方で自身の後援会をつくり、大学関係者からカネを集めるなどしていたと言われている。

 

「加計学園」が新設した学部も、52年ぶりに認可された「獣医学部」だった。

 

文科省の厳しい認可のハードルの裏には、いつも「不透明なつながり」が見え隠れする。

 

 

そもそも許認可が悪いのでは?

しかし、そもそも論として、がちがちの「許認可行政」があるから、こんな「疑惑」「騒動」が起きるのではないか。

 

ハードルが高いからこそ、政治家には「ハードルを下げる」という権限が発生する。そして、教育事業を展開しようとする者は、教育者として清廉潔白を志していても、「政治家への見返り」「個人的なつながり」を利用しなければ、そのハードルをやすやすと越えられない。

 

 

アメリカでは許認可を巡る癒着は起き得ない

アメリカでは学校認可などを巡る、政治家と学校の癒着はあまり見られない。というのも、アメリカ連邦政府はそもそも大学に一切関与しないのだ。

 

私立に、学位の授与を認可するのは州政府だ。

 

一部の州政府は、数ページだけの書類審査しか行われない。後は教育の質をチェックする民間の非営利団体に"丸投げ"している。

 

州として厳密な審査を行うところもある。しかしその場合も、大学との利害関係者や個人的な関係を持つ者は、認可プロセスに参加できないよう法律で決められてある。

 

さらに政府からの補助金は、学校ではなく、学生に対して支払われる。いわゆる「バウチャー制度」だ。補助金をちらつかせて、政府が教育内容をコントロールすることを防ぐためだ。

 

これだけ癒着が起きにくいシステムになっている背景には、「そもそも政治が大学に口を出すものではない」という考え方がある。合衆国憲法にも「教育」という言葉は出てこない。国立大学も、軍関連の大学を除けば存在しない。あのハーバード大学は、アメリカ建国の140年前に設立されている。

 

 

アメリカでは10年で70校近くが「倒産」

こうした、真の「学問の自由」が確保されていることで、利益があるのは国民だ。

 

アメリカではこの10年ほどで、70校近くがその門を閉じた。というのも、新たな大学がどんどん参入し、競争力の低い大学は淘汰されているのだ。

 

各学校は常にその"恐怖"のもと、教育の質を向上させる。政府がその内容に口を挟むことも少ないので、効果的な教育法が出て来やすい。

 

 

慶応も早稲田も今なら「不認可」

一方、日本で行われている「許認可」は、言い換えれば「参入障壁」「サービスへの口出し」だ。こういうことが行われる産業は、基本的に衰退していく。

 

「加計学園」問題に関しても、獣医学部の新設が厳しく制限されていたのは、「獣医が増えすぎている」と政府が判断しているためだ。しかし、増えすぎているなら、競争が働きやすくすればいいだけの話だ。

 

現在、日本のトップレベル大学である慶応義塾大学や早稲田大学も、元は私塾だ。当然最初は、大規模な土地や建物もない。もし当時、今のような認可制度があったとしたら、間違いなく「不認可」だろう。しかし、次の時代の日本を支える大学は、無法地帯から出てきた。

 

高等教育の「許認可」システムの見直しから、真に「クリーン」で「クリエイティブ」な教育が見えてくるのではないか。

(馬場光太郎)

 

【関連記事】

2017年1月25日付本欄 善悪の基準が分からない「天下りあっせん幹部」 幸福の科学大学を不認可にしていた

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12523

 

2014年11月27日付本欄 幸福の科学学園が下村文科相の「不正行為」に関する弁明請求書を提出

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8817

タグ: 加計学園森友学園文科省天下り不正疑惑許認可内閣府払い下げ癒着  

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