劉暁波氏の死を悼み、香港でも追悼式が行われた LO Kin-hei / Shutterstock.com

中国政府の体制を批判した罪で投獄され、服役中の2010年にノーベル平和賞を受賞した人権活動家の劉暁波氏が今月13日、肝臓がんのために亡くなった。61歳だった。

大川隆法・幸福の科学総裁は劉氏の死から8日後の21日、劉氏の霊を呼び出し、謎に包まれたその死の真相や劉氏の思いを聞くべく、霊言を敢行した。

本記事では、劉氏が霊言で語った他界第一声の内容を一部、紹介する。全内容を収録した書籍『中国民主化運動の旗手 劉暁波の霊言―自由への革命、その火は消えず―』は、29日から全国の書店で発刊が始まる。

「霊言現象」とは、あの世の霊存在の言葉を語り下ろす現象のこと。これは高度な悟りを開いた者に特有のものであり、「霊媒現象」(トランス状態になって意識を失い、霊が一方的にしゃべる現象)とは異なる。また、外国人の霊の霊言には、霊言現象を行う者の言語中枢から、必要な言葉を選び出し、日本語で語ることも可能である。 詳しくは⇒⇒⇒大川隆法のスーパー霊能力 「霊言」とは何か

最期まで中国国内で闘い続けた民主化運動のリーダー

まず、劉氏が死に至った経緯を振り返りたい。

劉氏は、1989年の天安門事件を主導して投獄された後、当局に繰り返し拘束されながらも、海外に亡命せずに中国国内に留まり、中国共産党の独裁体制を鋭く批判してきた。

2008年には他の300人以上の同志とともに「08憲章」を発表し、中国の一党独裁の終結、三権分立、民主化推進、人権状況の改善などを求めた。

翌年に劉氏は国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決を受け、再び投獄された。

中国の劉氏への対応に憤る国際世論

今年5月末に末期の肝臓がんと診断され、6月末に仮釈放を認められて中国の病院へ移送された。本人は国外での治療を求め、アメリカとドイツの病院は受け入れることを申し出たが、中国政府はこれを認めず、劉氏は中国の病院で逝去した。

中国側の劉氏への対応をめぐっては、国際的に批判の声が高まっている。22日付産経新聞には、米議員たちの厳しい発言が次のように紹介されている。

「中国当局の獄中での劉氏に対する医療措置の欠落や、彼の最後の願いの外国での治療をも拒む残虐性は私たち全てを憤慨させ、中国政府による人間の自由への恥ずべき蹂躙に対する抗議を決意させる」(ナンシー・ペロシ民主党下院議員)

「劉氏は米国の建国理念と同様の国民の自治や自由を唱えたことで処罰された。中国当局はしかも劉氏夫人を弾圧し、劉氏の遺体の扱いにも介入した。トランプ政権はただちに中国政府の残酷な措置への責任追及を対中政策全体に反映させねばならない」(マルコ・ルビオ共和党上院議員)

劉氏の本心が聞ける貴重な霊言

中国当局に拘束され、外部との接触を厳しく制限されていた劉氏には、長年、自らの考えを世に訴える場が与えられなかった。中国国内では今も厳しい情報統制が敷かれているが、劉氏の死の真相を求める声は広がっている。

今回収録された霊言は、長い間獄中にいた上に、すでに亡くなっている劉氏の本心が語られたという点で、まさに「死人に口なし」の常識を覆す、非常に貴重な霊言といえる。

中国の国家主義的な考えの誤りを指摘

劉氏の霊は冒頭で、次のように霊言に込める思いについて語った。

「(この霊言が) どこまで中国に伝わるかは知らないけども、やつらが葬式を拒み、骨さえ残したくなかった、散骨して消し去りたかった劉暁波が、死んで、霊言を言うっていうことは、キリストの復活にも相当することでもあるんでなあ。 (中略) だから遺された同志たちを、多少なりとも勇気付け、あとに続く人たちをできるだけ、救いたいなあ

また、現在の中国の政治体制についてこう言及した。

中国革命にはなあ、間違いがあるんだよ。『共産主義体制をつくること自体が目的』であってね、その結果、人民が幸福になるかどうかは考えてないし、最終的に幸福が来ればいいという、『その過程はどうでもいい』ということであれば、幾らでも弾圧も粛清も可能ということだからなあ

政府の方針を実現することが「善」であり、それに反するあらゆるものを「悪」とみなす「国家主義的な考え」ということだ。

そして、民主主義と次のように比較した。

民主主義っていうのは、リンカンもそう思っていたと思うが、『人間そのものが目的』っていうか、『人間が自己実現し、自由に政治的意見を言うことができ、経済活動ができ、差別されることなく、いろんなものに挑戦していけるような世界をつくること自体が目的』なんだよ

劉氏が命を懸けて目指していたのは、このような民主主義を中国に根づかせることだったに違いない。

劉氏が後世に遺したもの

劉氏はさらに、「 自分一人で革命なんか起こせるとは思わなかったけれど、ただ、人柱の一つぐらいにはなれるかなとは思っておって」と述べ、「中国政府がいちばん怖がってるのは、劉暁波の死を無駄にするなということで、いろんな運動が起きること、中国国内で起きたり、海外からも支援が起きることがいちばん、怖かろうなあ 」と語った。

生前の劉氏が訴えていたように、中国では、出版の自由、表現の自由、信教の自由、思想・信条の自由など、国民のあらゆる自由が政府によって奪われており、基本的な人権すら保障されていない。

そもそも基本的人権の根拠には、「人間は尊い存在である」という思想がある。劉氏の願いとは、中国政府が「一人ひとりの人間の尊さ」を正しく理解し、中国の国民を自由にすることだったのではないか。

また、現代の中国では、汚職が蔓延しており、「自分さえ儲かればいい」という考え方で生きている人も数多く、社会全体が荒んでいる。

しかし、真の豊かさとは、物質的な豊かさを超えた、心の豊かさにある。心の豊かさを得るためには、他の人を騙したり、脅したりして奪い取るのではなく、他の人に愛を与え、世の中の役に立つために誠実に働くことが必要だ。現代の中国において、真の意味で豊かになる人を増やしていかなければならない。

中国の国民を幸福にするために命を懸けて行動し、闘い抜いた劉氏。中国人のみならず、世界中の心ある人々は、彼が後世に遺した、人権の尊重や民主化への思いをしっかりと受け止め、彼が描いていた理想を実現していく必要がある。

劉氏の霊言では他にも、次のような点について語られた。

  • 末期の肝臓がんによる死の真相とは
  • 暴力と権力が完全合体していることの怖さ
  • 中国経済の「統計の嘘」の可能性
  • 劉氏の信念を支えた原動力とは
  • 「私には敵はいない」というメッセージの真意
  • 中国で革命を起こすために必要な思想とは
  • この時代の中国に生まれた理由
  • 「明治維新」と関係のある過去世について

※大川隆法総裁による「劉暁波の霊言」の映像は7月22日(土)より開示され、全国・全世界の幸福の科学の支部・拠点・精舎・布教所で拝聴できます。なお、この内容を収めた書籍は、29日から全国の書店で発売中です。

『中国民主化運動の旗手 劉暁波の霊言―自由への革命、その火は消えず―』 (大川隆法著 幸福の科学出版刊)

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