ノーベル平和賞受賞者で中国の著名な人権活動家の劉暁波さんが13日に死去してから、19日で1週間が経ちました。

劉さん本人は国外で治療を受けることを望み、アメリカとドイツの医療機関が応じる姿勢を見せていましたが、中国政府は最後まで出国を認めず、劉さんは事実上の獄中死となりました。

中国では、初七日は「亡くなった人の魂が戻ってくる日」といわれています。香港では19日、約1500人の民主派の市民が追悼イベントに参加。しかし中国国内では、当局が劉さんの支援者を自宅に軟禁したり、連行したりして、追悼行事に参加できないよう厳しく監視しています。

当局は劉さんのお墓の"聖地化"を警戒?

遼寧省瀋陽市当局が15日に開催した会見で、劉さんの兄、暁光さんは遺骨を火葬後すぐに海に散骨したと明かしました。当局は、「速やかな火葬と海への散骨は家族の希望だ」と主張しており、暁光さんもそれを裏付ける発言をしました。

しかしこの会見は市当局が開いたものであり、暁光さんが自由に発言することが許されていたとは考えにくいものです。しかも、中国側が妻の劉霞さんに「遺体を速やかに火葬して海葬を行うこと」を要求したところ、劉霞さんは拒否したという情報もあり、会見の内容とは食い違っています。

中国当局はなぜ、劉さんの「お墓」を建てたくなかったのか。それは劉さんのお墓が民主化運動の"聖地"になることを恐れていたためだとみられています。こうした行動の意味を考えると、中国当局が「最も恐れていること」がよりクリアに見えてきます。

劉さんと支援者が心を通わせる拠点になる