現役時代にUFO事件に遭遇し、機密保持のために沈黙を保ってきた元保安官や元軍人たちが、退職後に次々とUFO情報を公開するという動きが後を絶たない。

まず、英ミラー紙(6月2日付)の記事では、歴史的なUFO墜落事件である1947年のロズウェル事件の新たな証言者が紹介された。

記事によると、4月に出版された書籍『UFOs Today?70 Years of Lies, Misinformation and Government Cover-Up』(著イレーナ・スコット博士)で、ロズウェル事件を間近で目撃した元保安官代理チャールズ・フォーガス氏のインタビューが初公開されたという。

フォーガス氏は、当時、上司と一緒にテキサス州からロズウェル方面に囚人の身柄を引き取りにいく途中、警察無線で円盤が墜落したという情報をキャッチ、見に行くことにした。

到着した墜落現場では、300~400人の兵士が、直径30メートルの円盤をクレーンでトラックに運び込み、茶色っぽい色をした1.5メートルほどの4体の大きな目を持った死体を回収していたという。彼は、これらは人間ではないと確信。「偉大なる父は、この星を創造されただけではなかった」とコメントしている。

「なかったことにしよう」

また、6月16日付ノースダコタ州のマイノット・デイリー・ニュースには、地元マイノット空軍基地の元大尉でミサイル発射要員だったデヴィッド・シンデル氏の書籍『 It Never Happened, Volume 1: U.S. Air Force UFO Cover-up Revealed』が紹介されている。

ちなみに、タイトルの「It never happened(なかったことにしよう)」は、彼が軍から言われた言葉である。

彼はマイノット空軍基地のミニットマン(核弾頭搭載の大陸間弾道ミサイル)の発射要員だったが、1966年、UFOに、10基のミサイルすべてを機能不全にされるという異常事態を経験。当時、軍は個別にかん口令を敷いたために、他の目撃者もいたことを知らずに秘密を守ってきた。しかし、モンタナ州のマルムストローム基地でも同様の事件があったことが暴露されたこともあり、彼は世に真実を公開しようと出版したという。

いざという時に、思考停止に陥らないためにも

そして日本でも、5月25日、元航空自衛隊空将の佐藤守氏の『宇宙戦争を告げるUFO』(講談社)が出版された。

佐藤氏は、前著『実録・自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO』で、パイロットたちのUFO目撃の実態を暴露し、世間に衝撃を与えた。今回の著書では、地球が引き起こすかもしれない宇宙戦争という現実的な問題にUFOからの視点も加え、より現実味を帯びた地球のUFO事情を訴えている。

冷戦時、核弾頭搭載のICBMの機能が停止したら抑止力を失うため、情報を隠蔽したのは理解できる。しかし、日本の場合、隠蔽するUFO情報や研究もなく、いざ「ファーストコンタクト」を迎えたら、間違いなく思考停止に陥るだろう。退役した軍人や警察官(保安官)だけでなく、現役の人々もUFOを語らなくてはならない。(純)

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