《本記事のポイント》

  • 捏造された"虐殺"の人数
  • 朝鮮人暴動も「デマ」ではなかった?
  • 「自虐史観」を総ざらいする時

関東大震災時の「朝鮮人大虐殺」についての記述の含まれた報告書が、内閣府のホームページから削除された。この資料は、過去の災害における教訓についてまとめたもの。19日付朝日新聞デジタルが報じた。

同紙によると、担当者は「内容的に批判の声が多く、掲載から7年も経つので載せない決定をした」と答えているという。

「朝鮮人虐殺」については、歴史の授業で習った覚えのある人も多いだろう。「関東大震災の時に、『朝鮮人が暴動を起こし、井戸に毒を入れて回る』という"流言蜚語(ひご)"に惑わされた日本人が、多くの在日朝鮮人を虐殺した。その犠牲者は6000人以上」という内容だ。

しかし、この「デマによる数千人の虐殺」という説に、信憑性がないことが分かりつつある。

捏造された"虐殺"の人数

多くの資料や新聞記事から、「朝鮮人虐殺」の嘘にメスを入れたのは、ノンフィクション作家の工藤美代子氏。

工藤氏によれば、「虐殺」の人数自体が、実態よりも膨れ上がっているという。

教科書の記述に多い「6000人」という数字は、上海に亡命した大韓民国臨時政府の機関紙「独立新聞」が報じた数が元になっているという。しかし、その数字はとても信頼できるものではないという。

また、朝鮮独立運動派が、諸外国の外交官にばら撒いた諜略宣伝用小冊子には、2万3059人と書いてあったという。さらに膨らんだ数が、世界に喧伝されていたようだ。

しかし、政府の資料によると、当時東京にいた朝鮮人の数は約9千人と推定される。2万人という説は論外だ。「6000人」という説にも無理があるように見える。

とはいえ、「朝鮮人の暴動」に対する自警団が組織され、罪のない朝鮮人が殺害されたケースがなかったわけではなさそうだ。旧内務省は「233人は殺害された」と確認している。また、工藤氏は800人前後が殺害されている可能性を指摘している。

いずれにせよ、「6000人」という数からは程遠い。

朝鮮人暴動も「デマ」ではなかった?

また、「朝鮮人の暴動が全くのデマだった」という話にも、嘘があるという。当時の新聞報道などから、次のような史実が浮かび上がっているのだ。

「高麗(朝鮮)共産党ら国外上層部からの指令を受けて、震災に乗じて破壊活動を起こした朝鮮人テロリストらが多数確認された」

「夜陰に乗じて爆弾をさく裂させて、不安におののく日本人を千人単位で殺傷し、現行犯逮捕された後に、犯行を自白した」

「警視庁の爆破を企画して桜田門に近づいたものの、直前に逮捕されて、所持していた爆弾を押収された犯人が多数存在した」

「震災の直前には、都内に隠し置いた爆弾や拳銃が多数押収される事件や、資金集めのために銀行強盗に押し入る事件が起き、犯人が逮捕された」

関東大震災の火災などによる多大な犠牲者や混乱に紛れて、テロやテロ未遂が数多く確認されていたというのだ。

こうした中で、「過剰自衛」によって犠牲になった朝鮮人が多かった可能性が高い。

「自虐史観」を総ざらいする時

史実が「過剰自衛により数百人の犠牲者が生まれた」ということであったとしても、悲惨な事件であることには変わりはない。未来への教訓とするべきだろう。

しかし、「デマ」「数千人」という記述の信憑性が疑われているなら、変えたほうがいいだろう。

「従軍慰安婦」「南京大虐殺」にしろ、一昔前まではにわかに信じられていた"日本人の悪行"も、再検証を経て、その嘘が暴かれつつある。

日本の歴史は、あまりにも不確かで偏った物の見方の上に築かれてきたのではないか。どこかの時点で、総ざらいをする必要がある。

(馬場光太郎)

(参考)『関東大震災~「朝鮮人虐殺」の真実~』(工藤美代子/産経新聞出版)

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