《本記事のポイント》

  • 日露戦争時、アメリカで絶賛された教育勅語
  • 勅語を出した明治天皇が崩御の時も欧米メディアが絶賛
  • 教育勅語否定はGHQの日本弱体化の名残

記者が大学在籍時に履修していた教職課程の授業で、多くの教員が教育勅語について「これ以上ない悪だ!」と、半ば叫ぶように批判していたのを覚えている。ちなみに、国立大学での話だ。

そんな「教育界の嫌われ者」である教育勅語が今、注目を集めている。

「国有地払い下げ問題」などで連日メディアを騒がせている「森友学園」。同学園が運営する大阪市内の幼稚園で、教育勅語を子供たちに暗唱させているという。

「非常事態には臣民は皇室のために一身を捧げる」といった記述のある教育勅語を教えることに対し、メディアや野党は「軍国主義的」と一斉に批判する。「こうした教育により、日本はファシズム国家として暴走し、アメリカなどの民主主義国家に叩かれた」という主張だ。

もちろん、「森友学園」の運営者が、小学校の設置認可申請において、何らかの不正を行っていたとしたら問題だ。しかし、メディアや野党が「教育勅語」を一方的に批判することにも、また違和感がある。

日露戦争時、アメリカで絶賛された教育勅語

教育勅語とは、明治天皇が国民に語りかける形で書かれた、「国民の道徳」のようなもの。当時、西洋式の教育や、英語教育が取り入れられていく中、「日本で培われてきた道徳精神が失われるのではないか」と危惧した明治天皇が、1890年に発布された。

実は戦前、教育勅語は世界で並々ならぬ評価を受けていた。

例えば日露戦争の終戦間近、金子堅太郎という政治家は、アメリカの世論を味方につけるために渡米した。

金子は現地で行った講演において、こう語る。

「(教育勅語に書かれてある)『もしも国に緊急の事態があれば、大義のために自らを捧げる』というのが日本人の精神であり、日本が(日本海海戦など)ロシアとの戦いに勝ったのも、この結果だ」

この言葉に会場は拍手喝采となり、翌日の新聞で全米にその内容が報じられたという。

また金子は、ニューヨークで一流の夫婦たちが集った晩餐会の席でも、日露戦争の勝因について、「教育勅語による」と説明した。

すると、一人の婦人が「主人に、この『教育勅語』を、聖書の次に朗読させます」と述べた。他の参加者もこぞって、その翻訳を要求したといわれる。

明治天皇崩御の時も欧米メディアが絶賛

明治天皇が崩御した際、世界中の新聞・雑誌が追悼文を掲載した。その中でも、明治天皇が出した教育勅語を、以下のように高く評価する記述が目立った。

「明治天皇の教育勅語は、様々な国家で模範とするべきだ。そしてこの教育勅語は国民の真心の基礎をつくるものだ」

(アメリカ雑誌「レビュー・オブ・レビューズ」)

「明治天皇がつくったものの中で、特に教育勅語は、文体も内容も、世界において末永く残る文学に属するといえる」

(アメリカ雑誌「ノース・アメリカン・レビュー」)

「明治天皇が、日本国民に実践的な規範を示されたことは、ご自身が帝王としての役目を悟っていらっしゃったから」「日本人が、この教育勅語を尊敬するのは、欧米人が『聖書の十戒』を尊敬するのとほとんど同じ」

(英国雑誌「ナインティーン・センチュリー・アンド・アフター」)

「明治天皇の教育勅語は新しい日本の教育に関する、永遠無窮の基礎だ」

(ドイツ雑誌「ロイド」)

「教育勅語」否定はGHQの日本弱体化の名残

教育勅語が、国民の精神性を高め、国力を上げることは、日本の急速な発展に驚いていた欧米が、一番よく分かっていたのかもしれない。だからこそ戦後GHQは、日本の国力を弱めるために、日本の教育を徹底的に否定した。

現在もメディアや野党、そして教職員の多くが教育勅語を否定するのは、こうした戦後政策の名残と言える。

森友学園の疑惑の問題と、教育勅語の是非は、分けて考えるべきだ。

(片岡眞有子)

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