《本記事のポイント》
- 不幸を先祖のせいにする"供養宗教"にご注意
- 天国にいそうな先祖、地獄にいそうな先祖で、対応は変わる
- 供養は「自分の死後」を考える機会でもある
昼と夜の長さが同じになる3月下旬の春分、9月下旬の秋分のころを、「彼岸」と言います。
お彼岸時には、親族が実家に集まり、先祖を「供養」するためにお坊さんを呼んでお経をあげてもらったり、お墓参りをしたりしますが、意外と「供養の意味」についてはよく分からないという方が多いのではないでしょうか。
「供養」というと、「あなたが不幸なのは、浮かばれていないご先祖様のせいです」という"先祖供養宗教"が思い浮かぶ人もいるかもしれません。
この先祖供養宗教について、幸福の科学・大川隆法総裁は、著書『正しい供養 間違った供養』でこのように述べています。
「 たいていの場合、四代以上前の先祖が浮かばれていないと言われます。そして、『それが原因で不幸が起きているのだから、先祖供養をしっかりやれば運がよくなる』と言われるのです。これは、先祖供養型の宗教を生業とする人の常套手段だと言ってもよいでしょう 」
「 先祖が浮かばれているかどうかは、相談者には分かりません。したがって、何代か前の先祖のせいにしておけば、それで見料をもらえるのです。このような"商売"が日本各地でどれだけ行われているかを考えたとき、私は愕然とせざるをえません。なかには、本当に浮かばれずに迷っている先祖がいる場合もありますが、その場合でも、積極的に子孫を害してやろうと思っている先祖は、基本的にはいないのです 」
"先祖供養ビジネス"の間違いが喝破されていますが、では、「正しい供養」とはいったい何なのでしょうか。同著から、供養のあり方について見てみましょう。
あの世の存在を知る
供養を語る前には、「死後の世界を知る」ことが必要です。これは、亡くなった人にとっても、生きている人にとっても、死後さまよわないために重要なことです。
「そんなものはインチキだ」「自分の目で見たものしか信じない」と、死後の世界を否定する人もいます。もちろん、死後の世界がなければ問題はありませんが、実際に「死んだ後の世界」があった時に困ってしまうのは本人です。
大川総裁の霊査によって、生前に「死ねばすべて終わりだ」と考えていた人々が、死後もなお「自分はまだ生きている」と主張し、地上でさまよい苦しんでいるという事実が分かっています。
供養をするに当たっては、まず、このような霊的真実を知る必要があります。
供養に大切な「感謝」と「導き」
では、霊的真実を知った上で、どのような思いで先祖供養をすれば良いのでしょうか。成仏している先祖と、成仏できていない先祖、両方に子孫からできることがあります。
天国にいる先祖は、救済は求めてはいませんが、子孫が年に1、2回思い出して感謝の思いを向けてくれるとうれしく思います。
これに対して、救済を必要としているのが、地獄に行ってしまった先祖です。彼らは、子孫が「あなたの間違っている点はここですよ。それを反省しましょう。私自身も努力して生き方を変えていきますから、あなたも修行しましょう」という思いで、日々精進し徳を積むことによって、次第に浄化され救われるのです。迷っている先祖にとって、子孫が日々を正しく生きることが、「導き」となります。
子孫が徳を積み、自らの人生を輝かせることで救われるのであって、戒名や御札によって救われるわけではないのです。
「死」について考える
『正しい供養 間違った供養』には、上記の他にも、自殺者や水子の供養、晩年を生きる心構えなどが分かりやすく説明してあります。
死は誰にでも訪れるものでありながら、誰もがその実体を理解しているわけではありません。だからこそ、生きているうちに、死について正しい認識を持つことが大切です。
17日は彼岸入りです。「正しい供養」について考えることで、自分自身も死後迷わないための"予防策"になるかもしれません。
【関連書籍】
幸福の科学出版 『正しい供養 間違った供養』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1811
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