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東京都の小池百合子知事は28日、就任後初めての所信表明を行い、「都政の透明化」をキーワードに都議会に意識改革を求めた。以下、所信表明の要旨。

≪都政の透明化≫

  • 築地市場の移転に関する一連の流れで、都政は都民の信頼を失った。誰が、いつ、どこで、何を決めて、何を隠したのか。私たちには責任の所在を明らかにし、原因を探究する義務がある

  • 都議会と、知事、都庁の職員がなれ合いや根回しで事をまるく収めるのではなく、都民に対して情報の公開を徹底することが必要だ。組織全体の体質や決定の方法に問題があるならば、今こそ変えなければいけない。

≪公の精神で働く≫

  • 都知事も都議会議員も、都民によって選挙で選ばれ、税金を預かって運営していく以上、「公僕の精神」が求められている。公の意識を持たないものが、個の利害のために、公益をねじ曲げることがあってはならない。

  • しっかりした骨格をつくり、50年、100年後の東京を構想しなければならない。今の都民のために、そしてまだ見ぬ100年後の都民のために働かなくてはいけない。

肝いりの「都政改革本部」を設置

小池都知事は、「都庁の自己改革精神を呼びさます装置として『都政改革本部』を設置した」とも述べている。

小池氏が本部長を務める都政改革本部は、「都民ファースト、情報公開、税金の有効活用」の3本柱を掲げる。本部は「情報公開調査チーム」「オリンピック・パラリンピック調査チーム」「内部統制プロジェクトチーム」の3チームに分かれ、それぞれの課題について実態調査と評価を行う。

透明性を重視する小池氏の強い意向により、会議はフルオープンで行われ、インターネットでも完全生中継されるという徹底ぶりだ。

「密室」「裏権力」による都政を根本から改革

こうしたやり方には、「人気取りではないか」という批判もあるが、小池氏の本心はどこにあるのか。

大川隆法・幸福の科学グループ総裁は、小池氏が都知事に当選してから12日後の8月12日、氏の守護霊を呼び、都政への問題意識を聞いていた。

小池都知事の守護霊は、次のように語った。

やっぱり、『密室で決める。一人二人が決める』っていうのが日本のやり方でしてね。『だいたいは、時の裏権力を持っている人が決める』っていうのが、日本のやり方であるので、『これは本当に民主主義的に正しいのだろうか。やっぱり、大勢の民意を生かさなきゃいけないんじゃないか』っていう気持ちは持っています

都政において「密室で決める」「時の裏権力を持っている人が決める」ことが表面化してきたのが、築地移転問題であり、東京五輪問題だ。この問題の是非についてはここでは論じないが、有権者が知らないところでさまざまな政策や法律を決めることが当たり前になっている状況は、都政のみならず国政にも見られる。

もちろん、政治に関心を持たず、いったん政治家を選出したらあとはお任せという有権者にも問題がある。だが、「誰が意思決定をしたのかが分からず、誰が責任を負うのかも分からない」というやり方がこれからも続けば、政治不信はますます深まる。

"Thinkable Man"(考えることができる人)が政治を動かす国に改革するためには、主権を持つ国民に対して、判断のもとになる情報を開示することが基本となる。多くの国民・都民が、これまでは都議会任せにしてきた都政の問題に関心を持つようになった今は、政治のあり方を変えるチャンスともいえる。小池都知事の政治手腕に期待したい。

(小林真由美)

【関連書籍】

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