都知事選の告示後、はじめての日曜日を迎えた17日夜、動画共有サイト「ニコニコ動画」で、候補者の政策・公約スピーチの生放送が行われた。

ジャージやポロシャツといった軽装で登場したり、選挙とは関係のない話を始める候補者などが入り乱れる中、ひときわ輝いていたのが、幸福実現党の七海ひろこ氏だった。

ノースリーブの涼しげな服装で登場した七海氏は、一日中、街宣活動で走り回った後にもかかわらず、疲れも見せず、明るい笑顔でスピーチを始めた。

「消費税5%特区」実現に向けて、国に働きかける

「海外30カ国以上、回ってきた経験もありますが、やはり、東京は、ほんとうに心ときめく都市だなと感じています」と切り出した。

そして、こう続けた。「都知事選がまるで国政の代理戦争となって、有権者の心から離れてしまっている。しがらみや既成政党の利害・打算に基づく政治では、有権者が願う、都政の浄化や透明性の向上が図れない。『新しい選択』が必要と感じる」。

七海氏が掲げるのは、世界における「東京No.1宣言」の、3つの約束だ。

1つ目に上げたのは、「経済的にも、精神的にも、世界一リッチな都市・東京を実現します!」。

税金の高い状況を改善すべく、固定資産税の減免、特区を活用した法人税の軽減を進め、東京でビジネスをやりやすい環境をつくる。相続税の廃止、「消費税5%特区」実現に向けて、国に働きかけるとした。

東京をマンハッタン並みに発展させる

たくさんの応援の書き込みが、画面上に流れる中、七海氏は2つ目として、「家族でも、一人でも、育てやすい、住みやすい都市・東京を実現します!」について説明。

ニューヨークのマンハッタンの街並みと、東京の街並みの写真を並べ、いかに東京の建物が低いかを訴え、この原因の背景に、「容積率」という規制があると指摘。七海氏は、この容積率の緩和を進めれば、延べ床面積が広くとれ、建物の高層化が実現され、東京の潜在力を引き出せると力説した。

待機児童ゼロに向けた解決策についても、「規制緩和」路線を貫き、働く女性が利用しやすいように、都営地下鉄の構内やその付近に託児所を設けたり、エスカレーター、エレベーター、授乳所の設置を奨励。世界で一番、女性が、安心して、子育てと仕事を両立できる都市を目指すとした。

羽田空港に何時に降り立っても自宅に帰れる、交通網の24時間化

そして、3つ目は、「24時間ときめくことができる都市・東京を実現します!」だ。

羽田空港などで何時に降り立っても、都内の自宅などに帰れるように電車網の24時間化を進め、「人・モノ・カネ・情報」の回転スピードを上げて、働き方の多様化、通勤ラッシュの大幅緩和を実現するとした。

画面上の書き込み量が、最高潮に達したのは、七海氏がスピーチのまとめに入った時だった。「東京への一極集中が地方の衰退を招いている、という指摘もあります。ところが、どっこい!……」。七海氏が、新鮮さと懐かしさが入り混じった言葉を発すると、画面上は、「かわいい」「当選でいい」などの書き込みの文字で埋め尽くされた。

七海氏は続けて、「富士山のすそ野が広いのは、頂上が高いから。東京が率先して、豊かさを創り出すことで、国全体の活力向上に貢献できる」と説明。これは、「東京一極集中」を「悪いもの」とみなして、東京を岩手サイズで考えるかのような元総務相の増田寛也候補に、一太刀浴びせた形だ。

有権者は「主要3候補」に飽きている

大手新聞やテレビは、「主要3候補」として、増田氏、小池百合子氏、鳥越俊太郎氏の動きを連日、取り上げている。だが、失礼ながら、いずれも「昔の名前で出ています」といった雰囲気が漂っている。

ネットでも七海候補などの人気ぶりに注目が集まっているが、それは、有権者が既存政党の候補者に飽きている裏返しだろう。

国民の知る権利に応えるためにも、「新しい選択」のための幅広い情報を伝えるためにも、大手マスコミは「規制緩和」して、東京の未来を拓く候補者にスポットを当てるべきだ。

【関連サイト】

七海ひろこ公式サイト

http://nanami-hiroko.net/

【関連記事】

2016年7月13日付本欄 【都知事選】幸福実現党 七海ひろこ氏出馬表明 「東京が1番じゃなきゃイヤなのでございます」

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11627

2016年7月16日付本欄 【都知事選】東京の「待機児童問題」どう解決するべき? 各候補の政策を比べてみた

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11638