写真は、2014年秋の雨傘革命時のもの。

日本人にとって、当たり前に存在し、これからも失われることがないように思える「自由」。海を隔てた香港では、その自由を守るために、いま、多くの人々が命懸けで闘っている――。

イギリスから中国に返還されてから19周年を迎えた1日、香港では、民主派の市民団体が大規模なデモを行った。約11万人(主催者発表)の参加者は、親中派で香港のトップである梁振英(りょう・しんえい)行政長官の辞任などを求め、目抜き通りを埋め尽くした。

「中国の民主化」と「香港の独立」で分裂する民主派

1997年の返還当時、中国は香港に「一国二制度」を約束し、50年間は政党をつくる自由や集会の自由、資本主義などを認めるとした。

だが近年、中国はこの約束を無視し始めた。2017年に予定されている香港の行政長官を選ぶ選挙で、中国政府に都合のいい候補者しか出馬できないようにした。これに怒った市民が立ち上がったのが、2014年秋の「雨傘革命」だった。

ところが、いま香港では、民主派が分裂している。

1989年の天安門事件当時に結成され、歴史のある市民団体は「中国の民主化」を目指している。一方で、雨傘革命などに参加してきた学生団体などが「民主化」を否定。「香港の独立」を求めている。

今年6月4日に行われた天安門事件の追悼式も、今回の大規模デモにおいても、両陣営は別々に活動し、集会を開いた。

「あなたがたは、中国人のリーダーです」

2011年5月、大川隆法・幸福の科学総裁は、香港を代表する施設「九龍湾・国際展貿センター」で、英語説法「The Fact and The Truth (邦題:事実と真実)」を行った。

説法後の質疑応答で、大川総裁は、こう語っている。

あなたがたは、中国人のリーダーなのです。もし、香港人が多くの中国人を未来へと導くことができれば、この国の人々をより幸福にしていくことができるでしょう。世界の平和と世界の繁栄は中国にかかっています

それまで多くの香港人が中国の脅威におびえていた。だが、この説法を聞いた人々は、「中国を変えるのは自分たちだ」ということに目覚めたという。その後、香港では、最高で50万人規模の大きなデモが繰り返された経緯がある。

サムライ・日本はアジアの平和の守護神でありたい

民主化か、独立か――。現在、分裂している民主派の人々は、香港が中国を変える「使命」の下に団結すべきではないか。犬猿の仲だった薩摩と長州の手を握らせ、新しい日本の礎となった坂本龍馬のような人物が、いま香港に現れることを願いたい。

同時に、自由や民主主義などの価値観を同じくする国々は、国際舞台や外交の場で、中国政府に対して、事あるごとに香港の自由を守る意志を示すべきだ。その中心に、日本がいなければ「サムライ」の名が廃る。日本はアジアの平和の守護神でありたい。

(山下格史)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『大川隆法 フィリピン・香港 巡錫の軌跡』 監修:大川隆法/宗教法人 幸福の科学編

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=27

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