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韓国の国防省関係者は16日、日・米・韓の3カ国による弾道ミサイルの探知、追跡演習を6月末にハワイ沖で行うことを明らかにした。
演習には日本の海上自衛隊、米海軍、韓国海軍からイージス艦が1隻ずつ参加し、米軍の陸上施設を経由してミサイルの情報を共有する練習をする。また、コンピューターを使い、ミサイル迎撃のシミュレーションなども行うとみられる。
自国防衛のため、中国の反対を振り切る韓国
韓国はこれまで、中国に配慮し、米国主導のミサイル防衛体制への参加に慎重だった。
北朝鮮の核・ミサイル実験を受けて、米韓では、高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」の在韓米軍への配備について議論を進めていた。中国側は、米軍がアジア防衛に進出すると、「アジアの海を中国の海にする」という中国の野望が遠のくため、米韓の軍事協力に強く反発していた。
しかし韓国は「(THAADの配備は)北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対し、安全保障と国益から決めたことで、中国もこれを認識しなければならない」と、韓国としては異例の反論をした。今回も韓国は、中国への遠慮よりも自国の防衛を重視して、日米のミサイル防衛の仲間入りを決めたと思われる。
日本も自国と同盟国を守れる国へ
中谷防衛相は今回の訓練について、「新安保法制に基づく内容は含まれていない」と述べた。
新安保法制では「集団的自衛権」の発動が可能になったが、それは「日本の存立が脅かされる危険がある場合」に限定されている。たとえばアフガン戦争のような、日本の安全保障に直接的な関係の薄い地域で何かあった場合は、日本は参加できないということだ。
しかし、もし北朝鮮が韓国を攻撃し、のみ込むことに成功すれば、韓国は日本を頼ることになるため、日本国民の暮らしも脅かされる事態になる。その場合は、日本もアメリカと協力して韓国を守り、北朝鮮と戦う必要があるだろう。
日本は長く一国平和主義を保ってきたが、北朝鮮や中国などの危機は日本にも迫っている。
日本の政治家や国民は、アメリカや韓国などと協力し、北朝鮮や中国から自由と繁栄を護る体制をつくる決意が必要だ。具体的には、今回のような軍事訓練を積極的に行うとともに、憲法9条の改正や、自衛隊の活動を縛る法律の改正などを進め、起こりうる有事に備える必要がある。
(小林真由美)
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