「ケンタウルス座アルファ星」をご存知だろうか。

太陽系から最も近い恒星で、2009年に大ヒットを記録した映画「アバター」の"舞台"ともなった星系だ。

ただ最も近いと言っても、約4光年離れている。現代で一番速い宇宙船でも3万年もかかる距離だ。

そんな遠く離れた星に20年で辿りつく計画がある。理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士とロシアの投資家ユーリ・ミルナー氏がこのほど発表した、「ブレイクスルー・スターショット」だ。

ミルナー氏は、今回のミッションに1億ドルもの予算を投じている。著名な天文学者の他、フェイスブックCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏などが参加している。

噴射型エンジンから凧型への発想の転換

普通の宇宙船では、到底実現不可能であるこのミッション。そこには発想の転換があった。

新型宇宙船の名は、「ナノクラフト」。従来の宇宙船は噴射型エンジンで、化石燃料などを燃料に使っていた。一方、ナノクラフトは、凧が風を受けて移動する要領で進む。

その移動方法を可能にするのが、超小型かつ超軽量であることと、燃料に「レーザー」を使うこと。

ナノクラフトの大きさはなんと携帯電話ほど。重さも数グラムほどで、小型カメラやナビゲーション機器などの電子機器、「ライトセイル」と呼ばれる小型の帆を積んでいる。

この「ライトセイル」と呼ばれる小型の帆に地上からレーザーを照射することで、光速の20%という高速度を実現する。具体的な手順は以下の通り。

  • (1)地球上の標高が高く乾燥した場所に、数キロメートル規模のレーザー発射装置を建設する。

  • (2)1回のレーザー発射につき、数ギガワット時の光エネルギーを蓄える。

  • (3)数千個のナノクラフトを積んだ母船を宇宙空間に打ち上げ、ナノクラフトを切り離す。

  • (4)地上からナノクラフトのライトセイルにレーザーを照射し、ナノクラフトを目標速度に数分で到達させ、ケンタウルス座アルファ星へ発進させる。

  • (5)目的地に到達したナノクラフトは、レーザーを利用したコミュニケーションシステムを介し、星の画像や科学データを、地球へ送る。データは約4年かけて地球に届き、ナノクラフトの打ち上げに使ったレーザー発射器を使って受信する。

参考動画( https://www.youtube.com/watch?v=wMkWGN1G6Kg )

こうしたレーザー推進の研究にはNASAも取り組んでおり、重量100kgの無人宇宙船を火星に3日で到達させることができるとしている。より速いスピードで目標に到達できるようになれば、地球外生命体の存在など、宇宙の未知の解明につながっていくだろう。

(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『宇宙人との対話』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=82

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