元・球界屈指の大打者に何が起こったのか。

西武や巨人、オリックスで活躍した、元プロ野球選手の清原和博容疑者が、覚せい剤取締法違反で逮捕され、その様子が連日報じられている。同容疑者は「覚せい剤は私の物に間違いありません」と容疑を認めているという。

通算成績は2122安打、525本塁打(歴代5位)。「無冠の帝王」と呼ばれ、主要な個人タイトルには縁がなかったものの、ここ一番での勝負強さは、球界随一だった。

2000年の巨人在籍時には、長嶋茂雄監督の下、高橋由伸や松井秀喜らとともに「ミレニアム打線」の一翼を担う。王貞治監督率いるダイエー(現ソフトバンク)との「ON対決」を制し、巨人の6年ぶりの日本シリーズ優勝に貢献した。

2008年に現役にピリオドを打つまで、清原容疑者の23年間の野球人生は、間違いなく球史に残る輝かしいものだったはずだ。そんな彼だからこそ、今回の逮捕は栄光からの転落と言える。

実は、2014年にも清原容疑者には薬物使用の疑いがかけられていた。同年9月には、離婚している。

清原容疑者は当時の状況について、「息子の存在がなければ、この世にはいなかった」とテレビ番組内で語っている。家族や仕事を失い、自殺まで考えるほど心は荒れていた。自分を見つめ直すために、2015年、四国霊場八十八カ所を巡るお遍路にも挑戦した。

しかし、清原容疑者の心の闇は晴れなかったようだ。

自尊心を取り戻す刑務所でのセミナー

心の苦しみを癒すには、何が必要なのか。

そのヒントとなりそうなものが、フィリピンとハワイで幸福の科学が行っている取り組みにある。現地では、刑務所の受刑者たちに心の教えを伝えるセミナーを行っている。

幸福の科学・アンティポロ兼タイタイ支部(フィリピン)の鶴丸千夏支部長は、現地の刑務所とリハビリテーションセンターの計3カ所で、それぞれ毎月1回ずつ、幸福の科学の教えをもとにセミナーを開いている。

最近では、継続して参加する受刑者が特に増えており、セミナーは他宗の信者からも評価されているようだ。セミナーに継続して参加しているキリスト教の元牧師は、「刑務所には多くの宗教者が布教に来るが、幸福の科学の教えが一番分かりやすい。もっと学びたい」と参加者の前で語ったという。

鶴丸氏は受刑者について、「本当に正しい教えに出会っていれば麻薬などに手を出すことはなかったと思われる方も大勢います。各刑務所で受刑内容や背景も違うので、セミナーもそれに合わせて内容を変えています。中には"無法地帯"の刑務所もあって、セミナーが救いの場になっています。セミナーで人生が好転する実感を得る方も増えてきました」と語る。

幸福の科学・ハワイ支部のアルフレッド・グランディソン支部長も、月に1回、現地の刑務所で、セミナーを開いている。以前、毎週水曜日に、30~50人の受刑者を対象に90分のセミナーを開いていた頃、更生し刑務所から出た元受刑者が、支部を訪れたという。

「ドラッグで刑務所に入っていた方が支部にいらっしゃったのですが、あまりの変わりように気づきませんでした。別の日には、レストランでウエイトレスに声をかけられました。彼女も刑務所から更生して出てきた人で、幸福の科学の教えは自尊心を取り戻すのに本当に役に立ったと感謝されました。この教えは本当に人生を変えていると実感しています」

刑務所に入る理由はさまざまだが、支部長らの話からは、人生の意味を知り、自尊心を取り戻すことで更生する人が多いことがうかがえる。

人生は、何度でもやり直せる

幸福の科学には、「人間の本質は霊であり、人間は転生輪廻を繰り返しながら魂を磨いている存在」「人生で罪を犯すことはあっても、反省することによって許され、失敗を魂の糧にできる」という霊的人生観の教えがある。人生は、何度でもやり直せる。

こうした霊的人生観から考えると、挫折は、人生の砥石のようなものでもある。清原容疑者にも、本当の反省によって苦しみの原因を突き止め、克服し、自尊心を取り戻して、今後何らかの形で野球界に貢献してほしい。第二の人生の成功を願いたい。

(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『永遠の生命の世界』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=139

幸福の科学出版 『「アイム・ファイン!」になるための7つのヒント』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1616

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