北朝鮮が、長距離弾道ミサイルの発射準備を進めている可能性がある。29日付の新聞各紙が報じた。

北朝鮮・北東部の東倉里(トンチャンリ)にあるミサイル発射基地の発射台は、現在、幕で覆われ、アメリカの偵察衛星でも内部を見ることができない。周辺では、車両や人の動きが活発化しているという。

「北朝鮮が挑発行為をする可能性」

北朝鮮は1月6日、核実験で「水爆の開発に成功した」と発表したが、過去を振り返ると、まず、北朝鮮がミサイルを発射し、国際社会が経済制裁を加え、それに対する報復という形で、北朝鮮が核実験を行う、という流れが通例だった。

今回はミサイル発射の前に、先に核実験を行っている。

日本政府は「北朝鮮が何らかの挑発行為をする可能性は否定できない」としている。一方で、6日の核実験に対する国連の制裁強化を牽制するための脅し、という見方もある。

だが、日本政府は28日、国家安全保障会議(NSC)を開催。防衛省は最高レベルの警戒監視を続けている。

核の小型化で、もう楽観できない

「水爆実験成功」の発表に対しては懐疑的な見方もあるが、水爆の開発には核の小型化が必須であり、日本政府は「北朝鮮が核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も排除できない」としている。

「核の小型化」と「長距離ミサイルの発射準備が進行中」という二つの動きが意味するのは、「北朝鮮から、核ミサイルが飛んでくる危険性が格段に上がった」ということだ。

これまでは「北朝鮮は、核の小型化に成功しておらず、核をミサイルに積めないため、核攻撃はできない」と考えられてきた。だが、もう楽観できない。

2015年には、北朝鮮のミサイルの射程内にアメリカ本土が入ったと分析された。そして、今年に入って北朝鮮の国連代表部は、アメリカ本土を攻撃できる能力を手に入れたと声明を発表している。北朝鮮は、アメリカも核ミサイルで脅せる状況になったとアピールしているのだ。

安全保障に「想定外」はあってはならない

北朝鮮の核実験を受けて、関係各国は対応を協議したが、実質的に北朝鮮の後ろ盾となってきた中国との間で、制裁に関する合意は難航している。ロシアも強い制裁には反対の意向だ。

現在、国連などで各国が足並みを揃えることはほぼ不可能だろう。日本独自の対策が必要だ。今まで以上に周辺国家との連携が大事である。

外交面では、日米の同盟関係をより強固にしていく努力が求められる。同時に、ロシアとの良好な関係構築も進めなくてはならない。国防面では、友好的な核保有国との核シェアリングや、核のレンタルの可能性についても一考すべきではないだろうか。

なるべく直接的な武力衝突を回避し、脅しに屈せず、自国を守るためには、あらゆる可能性を想定し万全の措置をとることが必要だ。

安全保障に「想定外」はあってはならない。国民の安全をまもる国家としての気概が求められている。

(HS政経塾 表奈就子)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『北朝鮮・金正恩はなぜ「水爆実験」をしたのか』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1612

幸福の科学出版 『北朝鮮の未来透視に挑戦する』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=914

【関連記事】

2016年01月09日付本欄 「北朝鮮は新しいステージに踏み込んでいる」 大川隆法総裁 大講演会「『正義の法』講義」

http://the-liberty.com/article.php?item_id=10744

Web限定記事 北朝鮮、核の小型化に「成功」 金正恩守護霊が90分間激白!

http://the-liberty.com/article.php?item_id=10737