不登校生が、フリースクールなど学校以外の教育機関で教育を受けた場合でも、義務教育の修了を認める議員立法が、このほど自民党の議員連盟によってまとめられた。法案は来年の通常国会で提出され、成立すれば、2018年4月から教育制度に導入される予定だ。13日付朝日新聞が報じた。

この法案は、5月にまとめられた原案を修正したもの。「学校への在籍」を新たに前提条件に加え、学校へ在籍した状態で、復帰させる方向で進めるか、復帰が困難な場合は学校外の教育機関で学ぶ。

中学生のクラスに1人が不登校

文部科学省の調査によると、2014年度、学校を長期欠席した(年間30日以上)小中学生のうち、不登校を理由に挙げた児童・生徒数は、計12万3千人。前年度と比較して、小学校、中学校でそれぞれ2千人ずつ増加している。特に中学生はクラスに1人不登校生がいる計算になる。不登校はいじめとともに社会問題化している。

また、いじめや心の不安、無気力などとは別に、学校教育における、画一的なカリキュラムが原因で、現在の教育の枠からはみ出してしまう子供たちが一定数いるのは珍しくない。

その中には、異質な才能を持っているがゆえに、不適応を起こしてしまうことも多い。先生に「学校の勉強についていけない」と言われ、小学校入学後たった3カ月で退学になった発明王・エジソンが良い例だろう。学校教育によって、「第二のエジソン」の才能がつぶされてしまっては、本人にとっても、社会にとっても悲しいことだ。

こうした学校教育の現状を考えると、教育の場の選択肢が増えるは望ましいことだ。しかし、不登校生の主な受け皿となっているフリースクールは代役ができているのか。

過度の「子ども中心主義」が成長の芽を摘む

不登校の問題については、本誌2015年9月号「不登校はこうすれば解決できる」(関連記事参照)で取り上げた。

その中で、フリースクールの実態として、「子供の悩み相談に共感するだけで、解決につながらない事例も多い」「子供の自由や自主性を尊重するあまり、子供の学力アップや生活習慣の立て直しをさせていない」などの例が散見された。

過度の「子ども中心主義」によって、子供たちの成長の芽が摘まれてしまうこともあり得る。悩みを抱える子供たちにとって制度化は朗報だが、同時に、この問題も解消していくべきだ。

自助努力の意味を裏付けるのは

不登校解決のカギは、子供たちへの見方、接し方にある。その際、重要なのは、「人間は神仏につくられた尊い存在で、この世とあの世を転生輪廻し、心や魂を磨いている」という霊的人生観だ。霊的人生観があってはじめて、学校教育で身につけるべき自助努力の意味が裏付けられる。

宗教教育で培われる自助努力の精神や忍耐心、信仰心は、困難に打ち克ち、自分の人生の使命を果たす最大の力になる。

単に学校以外の教育機会を提供するだけでは十分とは言えない。不登校やいじめなど、教育問題解決のヒントは、宗教教育にあることを踏まえた制度設計が必要だ。(冨野勝寛)

【関連サイト】

幸福の科学 不登校児支援スクール ネバー・マインド

http://hs-nevermind.org/

【関連書籍】

幸福の科学出版 『大丈夫、不登校は解決できる。』不登校児支援スクール ネバー・マインド編

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1470

幸福の科学出版 『霊性と教育』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=74

【関連記事】

2015年9月号記事 不登校はこうすれば解決できる - 再登校率96%以上の支援スクールが実践する「新常識」

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9934

2015年8月18日付本欄 アメリカが日本化している? ゆとり教育に似た米大学の事例

http://the-liberty.com/article.php?item_id=10044