都内で行われた、早稲田大学による記者会見。

早稲田大学は、先進理工学研究科が2011年に小保方晴子氏に授与した博士号を取り消すことを確定したと発表し、都内で記者会見を開いた。

昨年10月、早稲田大学は小保方氏の博士論文に複数の不正があったとして、小保方氏の博士号を取り消すと発表していた。ただ、博士号を授与した大学側にも指導や審査の過程で過失があったとして1年の猶予期間を設け、論文が適切に修正されれば博士号を維持するとしていた。

早稲田側は、体調不良が続く小保方氏のもとを指導教官が訪問するなど、十分な働きかけを行ったと説明。指導教官が小保方氏と初めて連絡が取れたのは5月末であり、その後、8月までに4回、論文の修正などのやり取りを行ったとした。しかし、科学的根拠の記述や論理性に不備が残り、期日までに博士論文として審査する水準に達しなかったという。

小保方氏は体調不良を理由に期日の延長を求めたが、早稲田側は認めなかった。理由としては「1カ月や2カ月の延長であればまだ話は分かるが、(小保方氏側から)明確な期限が示されなかった」「昨年10月に小保方氏側に猶予期間を提示した時も『1年あれば(できる)』という反応だった。『1年』というのが社会との約束でもあった。博士論文の無い博士号を1年以上認めるわけにはいかない」と説明している。

食い違う小保方氏のコメント

一方、同日代理人弁護士を通じて発表された小保方氏のコメントは、「今回の決定には失望しています」などと大学側の対応を批判するものだった。

早稲田大学と小保方氏との間では、論文指導に関する説明にズレが生じている。小保方氏は、「一回のやりとりだけで不合格の判定をされ、それに対する私の意見も聞く耳を全く持って頂けない状況でした」と説明。「問題点をすべて修正して論文を再提出したところ、前回の授与時判断と異なった結論を出された」として、指導過程や審査過程の正当性・公平性に大きな疑問があるとした。

また、修正論文を提出する前に、担当教官から「今回は合格する可能性はとても低い」と告げられたことや、論文不合格の理由について、「博士として認めることのできないのは一連の業界の反応を見ても自明なのではないか」と言われたことを明かしており、「学術的な理由とはかけ離れ、社会風潮を重視した結論を出されたことは明らか」と批判している。

早稲田大学は、小保方氏のコメントについては「(教員と小保方氏との)個別のやり取りまでは分からない」と答えるにとどめている。ただ、小保方氏の反論と整合性が取れていない箇所については、今後の説明を求めたい。

STAP細胞の可能性は消えていない

昨年12月、理化学研究所は、小保方氏が参加したSTAP細胞の検証実験を「失敗」として打ち切り、「STAP細胞はES細胞が混入したものだった」とほぼ断定した。ただ、厳しい制約のもと、実験協力も十分得られない環境下で検証実験が成功しなかったことで、STAP現象を否定することはできない。

小保方氏はコメントの中で、「いつか議論が研究の場に戻る日を期待し、今回の再提出した博士論文や関連するデータは年度内をめどに随時公開して参る所存」と明かしている。専門家がもう一度白紙の目で小保方氏の研究成果を見ることで、STAP細胞の可能性が再び検討されることを期待したい。(河本晴恵)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『小保方晴子博士守護霊インタビュー』 大川隆法著

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