千葉県の病院に入院中だった、6歳未満の男児が脳死と判定された。男児は臓器提供の意思表示をしていなかったが、両親ら家族が臓器提供を承諾し、移植が行われた。6歳未満の子供が臓器移植を受けるのは日本で4例目となる。

男児は病気で入院中に急性脳症になり、9日に病院で脳死と判断された。家族は同日夕方、脳死臓器提供の説明を希望し、翌日に両親を含む家族6人が男児の心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓(すいぞう)、小腸の提供を承諾した。その後、男児の心臓は10歳未満の男児に移植され、肝臓は10歳未満の女児、腎臓は30代の女性に移植された。

男児の両親は、「私たち夫婦は日ごろからお互いや子どもに万が一のことがあれば臓器提供しようと話し合っていた」との談話を発表している。

2010年に改正臓器移植法が施行されたことで、本人の意思が確認できなくても、家族の承諾があれば臓器移植は可能になった。

まだ体にぬくもりがあり、心臓も動いている我が子の臓器を移植することの辛さは想像を絶するものがある。それでも、臓器提供を待ち望む全国の子供やその家族に、少しでも役に立ちたいという思いで臓器提供を決断する家族もいる。

しかし、「脳死状態でも肉体の痛みや恐怖を感じる」という事実があるとしたら、同じ決断ができるだろうか。

「脳死」でもまだ「生きている」

結論から言えば、脳死は人の死ではない。

幸福の科学が伝える霊的真実によると、魂が肉体を離れ、魂と肉体を結ぶ霊子線(シルバーコード)が切れた瞬間が肉体としての「死」である。霊子線が切れるのは、心臓が止まってから約24時間後であり、その瞬間まで、脳死であってもその人は「生きている」。

もし、霊子線が切れる前に臓器を摘出しようとすれば、生きたまま臓器を取られる恐怖と痛みを味わうことになる。幼い子どもが霊的な真実を知らないまま、家族の決断で臓器移植が行われる……その驚きと苦しみは計り知れない。

脳死宣告から回復した事例も

脳死判定後に「生き返った」という報告もある。アメリカのオクラホマ州で2007年、青年がバイク事故に遭い、2度の脳死判定を経て死亡が告げられた。青年はドナー登録をしていたため、臓器提供の準備が着々と進められていた。

臓器が摘出される直前に、看護士である青年の友人が「本当に死んでいるのか」を確認しようと、身体に強い刺激を加えたところ、青年の身体に生体反応が見られた。それを聞いた主治医が慌てて再検査をしたところ、その反応が、脳死状態で見られる「反射」ではないと確認され、移植は急遽中止された。そしてその5日後、青年は奇跡的に目を覚ました。

驚くべきことに、その青年は脳死判定を受けた後も意識があり、その時の様子も記憶していた。青年が「俺はまだ生きている!」と訴えたくても、身体を動かせず、その声は届かなかったという。

脳死を「死」だと判断し、臓器を摘出することは、本人の魂があの世に安らかに旅立つ際に大きな支障が出ることになるだけでなく、生き返るチャンスを失わせてしまうこともある。多くの人々が、脳死に関わる霊的事実を知らなければならないだろう。(真)

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