私立高知中央高校(普通科)は来年度から、自衛官にふさわしい人材の育成を目標とした「自衛隊コース」を新設する。

この自衛隊コースは、1週間のうち6時間分の授業を自衛官の養成に充てるというものだ。その内容は、現役の自衛官やOBを講師として招き、実際に自衛隊が訓練に採用している銃剣道や、自衛隊の歴史・活動についての講義を行う。3年次には、自衛官の採用試験対策も実施する。同コースは、自衛官に限らず、警察官や消防士の育成も行うという。

文部科学省は「珍しいコースで聞いたことがない」と述べ、防衛省も「詳細を把握しておらず驚いている」とコメントした。

日本の国防を担うプロの人材を養成したい

同校の近森正久理事長は、自衛隊コース新設の理由について、産経新聞の取材に次のように語っている。「高知県では年間約100人が自衛隊に就職したり防衛大に進学したりしているため、需要があると判断した。心身ともに鍛えられ、忠誠心をもって日本の国防に当たれる人材を育成したい」。

近森理事長によると、今回の自衛隊コース設置は、現在国会で審議されている安保法案などの政治の動きとは無関係だという。同コースは卒業した生徒を戦地へ送り出すことが目的ではなく、社会の若いリーダーを育成するためであるとのことだ (8日付高知新聞掲載の一問一答より) 。

自衛隊員との交流で世界一の「規律」を学ぶことができる

戦後、GHQの教育方針によって、日本の教育で軍事に関する基礎的な知識を身につける機会はほとんどなかった。しかし欧米においては、軍事は知識人が持つべき基礎的な教養であり、国際政治を正確に分析するための重要なツールとされている。

「軍隊と教育」の結びつきを過剰に警戒する国内の"平和主義"勢力は、自衛隊と学校が連携して防災訓練を行うことに猛反対することもある。しかし、自衛隊は世界で最も規律のとれた軍隊と言われる。生徒たちは自衛隊員との交流を通して、防災にかかわる知識や技能を学ぶだけでなく、世界トップレベルの「規律」についても学ぶことができる。

国民の生命と安全を守るプロの自衛官、警察官、消防士を志す若者を実践的な形で養成することは、非常に有用で公共性が高いといえるだろう。(真)

【関連記事】

2015年1月18日付本欄 東大が軍事研究を解禁!? 「軍事学」を教えて何が悪い?

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9065

2014年9月号記事 集団的自衛権行使容認は当然だ「正義ある平和」の実現を - The Liberty Opinion 2

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8161

2014年8月号記事 日本はアジアの警察官たれ 東南アジアは「盟主」を求めている Part1

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8033

2013年3月号記事 自衛隊はどうやって日本を守っている - そもそモグラのそもそも解説

http://the-liberty.com/article.php?item_id=5516