米国の日本研究者や歴史学者ら187人が、本年5月、「日本の歴史家を支持する声明」を出したことは、本欄でも報じた(関連記事参考)。これは、第二次大戦における日本の"過ち"、特に日本軍が慰安所の管理に関与していたことについて、「偏見のない清算」を呼びかけるものだ。
この声明の賛同者は、460人ほどに増えており、中国や日本のアジア研究で知られるエズラ・ボーゲル名誉教授や、日本近代史分野の第一人者であるマサチューセッツ工科大学のジョン・ダワー名誉教授らも含まれている。
慰安婦となった女性の輸送と慰安所の管理に日本軍が関与していたというのは、まったくの誤解であり、「慰安婦の強制連行」は中国や韓国のねつ造に他ならない。こうした誤った歴史認識がアメリカの学者らの間に広がっている事態を重く受け止め、日本の学者たちが反論。渡辺利夫拓殖大学総長が呼びかけ人となって「返答文」を作成し、8月6日に都内の外国人特派員協会で記者会見を開いて発表した。
渡辺利夫総長は、「緻密な検証によって、慰安婦の実像は明らかになっている。朝日新聞も、昨年の8月に強制連行説は誤報であったと取り消している。アメリカの歴史家による『慰安婦は20世紀の戦時における性暴力のなかでも特筆すべきもの』という主張は、日本における検証を無視している」と述べた。
さらに渡辺総長は、「広島・長崎の原爆投下、東京大空襲については、日米で統一した歴史解釈は存在しない。アメリカの歴史解釈に従えというのでは、正しい国際関係は築けない」と強調した。
続いて西岡力東京基督教大学教授が、「返答文」の内容を発表した。
主な内容は、「慰安婦の数や、強制的に女性を拉致したといった事実はなく、事実誤認に基づく記述を訂正してほしい」「満州やドイツなどで、敗戦国民の婦女子をレイプすることを許したソ連軍、占領下で日本女性を売春婦として利用した米軍と比べ、日本の慰安婦制度が特筆される根拠はない」というものだ。
中東メディアの東アジア支局長からは「日本のみが女性に性暴力を振るったように見えるが、連合国であった中国や、北朝鮮の女性の人権侵害にはどのようなものがあるのか」という問いも投げかけられた。
これに対して西岡氏は、中国や北朝鮮の人権侵害の状況に触れ、「現在進行形の女性の人権侵害を無視して、日本だけを批判するのは公正ではない」と訴えた。
アメリカの学者らが、中韓がねつ造した「慰安婦問題」を取り上げて日本を批判するのは、自国が行った原爆投下を正当化するためだろう。だがこれ以上、米国は中韓と歴史問題で共闘すべきではない。
共産主義と戦おうとした日本をアメリカがバッシングしたことによって、共産主義国が世界に広がり、数千万から億の単位の民衆が粛清された事実を直視しなければならない。そうでなければ、中国共産党の覇権主義に立ち向かうことは不可能だ。アメリカの歴史認識に対する反省を求めたい。(華)
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幸福の科学出版 『南京大虐殺と従軍慰安婦は本当か』 大川隆法著
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