《ニュース》

アメリカの国防総省付近で大規模な爆発があったとする偽画像が22日、ツイッターなどのSNS上で拡散されました。この画像は生成AIが作成したと見られています。

《詳細》

今回の画像の拡散により、米ニューヨークの株式市場では主要株で構成するダウ工業株30種平均が一時80ドル近く急落するなど混乱が生じました。地元消防当局が爆発を否定する声明を発表すると、事態は間もなく落ち着きました。

金融ニュースの配信を手掛ける米ブルームバーグに似た名前のツイッターアカウントが今回の偽画像を流したことも、混乱に拍車をかけました。

X社(旧ツイッター社)は誤情報の発信源となった一部アカウントを停止しました。現時点でアカウントの運営者や偽画像の出所は不明です。

生成AIとは、Web上の大量のデータを基にテキスト、原稿、音楽などを、ゼロから創り出すAI(人工知能)の一種です。2022年11月30日に、アメリカのOpen AI社がリリースした「ChatGPT」をはじめ、世界的に注目を集めています。

しかし今年に入り、生成AIが作成したと見られる偽画像が拡散する事態が相次いでいます。3月下旬には、白いパファーコートを着たローマ教皇の偽画像ツイッター上で拡散。さらに同時期、刑事訴訟中のトランプ前大統領が逮捕されるという偽画像が約50枚にもわたって生成、拡散されました。

こうした中、AI画像が金融市場にまで影響を及ぼしたのは、今回が初めてです。

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