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《本記事のポイント》
- 金融庁が邦銀に対し、中国向けビジネスの現状を報告するよう求めた
- 金融庁が動く前に、弊誌は対中融資の警鐘を鳴らし、対策を促していた
- 中国経済の減速が著しく、日本企業の対中依存度を押し下げることが急務
金融庁は、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、日本の銀行の対中投資を緊急調査することを決めた。中国経済の減速により、貸倒引当金などの与信費用が増えないようにするため、金融庁は各銀行に対し、中国向けビジネスの現状を報告するよう求める。ロイター通信がこのほど報じた。
邦銀が中国に融資している額は、7兆円以上に上る。だが、ニューヨークなどの国際金融市場を通じた間接融資を含めれば、それを超える融資を実行している。
中国ではコロナ問題により、中小企業を中心に倒産する事例が出始めている。日本経済へのダメージを抑制すべく、日本の関係省庁は7日に、中小企業の資金繰りに配慮するよう、政府系金融機関に対応を求めていた。今回の対応は、それに続く形となる。
弊誌は対中融資に警鐘を鳴らしていた
1月30日発刊の弊誌2020年3月号の特集「地銀9割消滅!?」では、中国の不動産バブルが崩壊すれば、邦銀の対中融資に焦げ付きが生じ、日本経済に悪影響が及ぶと指摘。日本政府などが対応に乗り出さなければ、地方銀行が9割消滅する可能性があるとした上で、減税など5つの対策を講じるべきとする記事を掲載した。
弊誌の発刊直後、先述のように、金融庁は政府系金融機関に対応を要請。そして今回、邦銀の対中融資の実態を調査することになった。このタイミングは、偶然ではないのではないか。
中国経済の減速が著しい
コロナ問題で中国の景気が冷え込んだ結果、中国不動産大手の「恒大集団」は、全額返金や最低価格保証といった破格の販促キャンペーンを打ち出し、物件の"投げ売り"を開始。中国航空大手の海南航空を傘下に持つ「海航集団」も、海南航空を他の中国企業に売却する案の検討に入った。
中国経済の減速が鮮明になってきており、バブル崩壊が加速していると言える。
日本の各企業が中国のリスクを分散するには、中国の依存度を下げることが有効な手段の一つとなる。政府や邦銀は、中国に進出した日本企業の国内回帰をサポートし、日本の国益を守ることが急務となっている。
(山本慧)
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