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ミャンマーで約半世紀ぶりの文民政権がスタートする。

昨年11月の総選挙で圧勝した国民民主連盟(NLD)による新政権がいよいよ発足した。軍による独裁政権から新政権に代わり、その舵取りに注目が集まる。

事実上政権を主導するスーチー氏だが……

新政権の重要課題の一つが憲法改正だ。

大統領に就任したティンチョー氏は就任演説で、「民主的な基準に沿った憲法にするのが私の責任」と今後の方針について語っている。

現行憲法は、外国籍の家族がいる人物の大統領就任を禁じている。そのため、息子2人が英国籍であるNLD党首のアウンサンスーチー氏は大統領にはなれない。スーチー氏は、外相などの4つの閣僚を兼務し、事実上政権を主導するが、政治上のジレンマを抱えたままだ。

憲法改正のハードルは低くない。

改正には上下両院の議員の75%以上の賛成が必要だが、現行憲法では、議席の25%は無条件に軍人議員に割り当てられている。軍側に事実上の拒否権が与えられている状況だ。

憲法だけではない。

ミャンマー西部に住む、イスラム教徒のロヒンギャ族は、国籍を認められないなどの差別に苦しみ続けている。

軍事政権は終わったものの、難題は多く、ミャンマーはまだ民主化の途上にある。

「アジア最後のフロンティア」に進出する日本企業

ミャンマー民主化の完成に向け、日本としても貢献できないものか。

多くの難題を抱えるミャンマーだが、実は日本とは良い関係を築いている。

2014年に現地シンクタンクが行った、初の本格的な世論調査(回答者は、最大都市ヤンゴンと第2の都市マンダレーの15歳以上の男女1128人)では、日本は、「ミャンマー経済に最も重要な国」「働きたい外国企業の国」「製品の質」など、ほとんどの項目でトップだったという。(2014年11月7日付産経新聞電子版)

その結果に呼応するように、国際協力銀行の2014年度の海外直接投資アンケート調査では、ミャンマーは日本の製造業の投資先としてブラジルに次ぐ7位にランクイン。昨年9月には、日本とミャンマーの官民が共同開発した、ミャンマー初の大規模工業団地であるティラワ工業団地が開業した。

その他にも、味の素がミャンマーへの再進出を決め、三菱UFJ銀行がミャンマー政府から営業認可を得た初の外国銀行として、ヤンゴン支店を開業するなど、日本企業は「アジア最後のフロンティア」と呼ばれるミャンマーと経済的つながりを強めている。

「真実のビルマ解放者は東條大将と大日本帝国政府」

歴史的なつながりも深い。

第二次大戦で、日本軍はビルマ(現ミャンマー)の軍人らと協力しイギリスと戦い、植民地支配からの独立を勝ち取った。ビルマの初代首相のバー・モウ氏は、「真実のビルマ解放者は(中略)東條大将と大日本帝国政府であった」とまで、日本に敬意を表しているほどだ。

日本は、民主主義の先輩国家として、ミャンマーの民主化を経済・政治面から支えられないか――。新政権誕生のニュースをそんな視点で見てもいいかもしれない。

(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『正義の法』 大川隆法著

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