安倍晋三政権が進める安保法制について、衆議院憲法審査会で「憲法違反」と述べた長谷部恭男(はせべ・やすお)早稲田大学教授と、小林節(こばやし・せつ)慶応大学名誉教授が15日に、都内の日本外国人特派員協会と日本記者クラブで相次いで会見。長谷部教授は会見で、改めて「違憲」であると強調し、「数多くの重大欠陥がある法案は、直ちに撤回すべきだ」と述べた。

憲法学者の安全保障観と、安倍政権のそれとの間に、認識の差があることが改めて浮き彫りになった。

長谷部氏は、「『学者の言う通りにしていては日本の安全を守れない』との批判も聞くが、今回の法案は、日本の安全を危うくする」「安保法制の整備で抑止力が高まるというが、相手も軍備を強化する。安全保障環境はますます悪化する」などと指摘。一方の安倍首相は、「もはや一国のみで自国の安全を守ることはできない」(5月14日の記者会見)と再三にわたり、集団的自衛権の必要性を語ってきた。

「中国と戦っても、日本は負ける」

左翼憲法学者の「平和」の論理診断

左翼憲法学者の「平和」の論理診断

大川隆法著

幸福の科学出版

冒頭の会見に先立つ13日、大川隆法・幸福の科学総裁は、長谷部教授の守護霊霊言を収録。この中で長谷部氏の守護霊は、「中国と戦っても負けるから、やめとけと言ってる」と述べ、日本が中途半端な国防強化をすれば、中国に攻撃の口実を与えるだけだとした。

これは、今回の会見で語った内容と極めて似ている。守護霊の発言は本人の深層心理を表すが、長谷部氏には、中国から日本を守ることへのあきらめがあるのかもしれない。霊言の内容を収録した書籍『左翼憲法学者の「平和」の論理診断』は緊急発刊される。

もっとも、中国は長年驚異的な軍拡を続けており、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所によれば、核保有国として唯一、核弾頭を増やしている国だという(軍事情勢に関する2015年版年鑑)。また、国際法を無視し、南シナ海で軍事基地を建設している。

左翼陣営が「安保法制を止めたい」というのであれば、むしろ、日本が安全保障を強化せざるを得なくなっている原因である中国にこそ、批判の矛を向けるべきだろう。(山本慧)

【関連書籍】

幸福の科学出版『左翼憲法学者の「平和」の論理診断』 大川隆法著

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