アメリカでは、UFO関連の映画やドキュメンタリー、書籍が次々に出ては話題になるが、多くは残念ながら日本語にはならない。本欄では、最近の興味深い作品や著書を紹介してみる。

宇宙人とのコンタクトを真面目に再現

1つ目は、今年のサンダンス映画祭で上映されたドキュメンタリー『The Visit』。デンマークのマイケル・マドセン監督による、宇宙人と地球人とのファースト・コンタクトのシナリオを描いた映画だ。

実際に国連の宇宙局の専門家やNASA、倫理学者、SETIなどに、宇宙人とのファースト・コンタクトを想定したインタビューをする。それらを通して、まだ起こっていない事件を“再現"する、台本のない真面目なドキュメンタリーフィルムである。

初めての遭遇に起こりうる様々な問題を提起した、現実的なシナリオが興味深い。事実、このような事態に備える真剣な議論はアメリカでは行われていて、過去にNASAの科学者などが集まって宇宙人遭遇時に備えた議論を本当にしている。

UFOと米大統領の年代記

2つ目は、今年の3月出版の『The Presidents and UFOs : A Secret History from FDR to Obama』(ラリー・ホルコム著 セント・マーティンズ・プレス)。こちらは、ルーズベルトからオバマまで、戦後すべての大統領は、地球に宇宙人が来ていることを前提に、宇宙人の情報とどう関わってきたかを、公開された資料やリークされた情報と共に紹介する。

宇宙人テクノロジーからあらゆる利益を得ようとするルーズベルト、アイゼンハワー政権時の宇宙人とのコンタクト、ケネディ暗殺に潜むUFOコネクション、ニクソン時には情報公開しようとして情報部に止められたこと、レーガンが俳優をやめて政治家になったきっかけの裏にあるUFO、クリントンのUFOへの関心やオバマ大統領とロズウェル――。

まさに戦後始まったUFOと全大統領の年代記である。

UFO情報がアメリカにとって国家安全保障にからむトップシークレットであり、アメリカをはじめ地球が紛争だらけであることが宇宙の隣人にどう映るのかが問われている。

日本人は無関心でいいのか?

地球人はテクノロジーを駆使し惑星内での戦いに明け暮れている一方で、宇宙からのコンタクトは平和裏にいくのか、彼らはどう接触してくるのか、誰がどうイニシアチブをとるのか――。こうした不安が、これらの内容から読み取れる。

地球レベルの関心に日本だけが蚊帳の外にいるわけにはいかない。このような作品が全く入ってこないのも、日本が無関心すぎるからではないだろうか。(純)

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