福井県敦賀市にある日本原電の敦賀原発(画像はWikipediaより)

原子力規制委員会(以下、規制委)の有識者会合は25日、青森県の東通原発(東北電力)の敷地内の断層や福井県の敦賀原発2号機(日本原子力発電)の真下を通る断層について、「将来動く可能性がある断層(活断層)」と結論づけ、報告書をまとめた。

規制委は、この報告書を受理。今後の原発再稼働を決める重要な判断材料になる。規制委は原発が規制基準に適合するか審査し、活断層であるかの最終判断を下す予定だ。審査の結果、断層が活断層だと判断されれば、廃炉になる可能性は高いという。

活断層は地震による地層のずれにすぎない

しかし、活断層の有無を根拠に、原発再稼働の可否を決めるのは妥当なのか。

規制委が設けた新規制基準では、今後動く可能性のある断層の上に、原子炉建屋などの重要施設は設置できないとされるが、活断層があるからといって地震が起きるとは限らない。1つの活断層による大地震発生間隔は1000年から数万年と非常に長く、現在がその間隔のどの時点かもわからない。現段階の地震学では、いつ、どのくらいの規模の地震が起きるのか正確に予知するのは難しく、天気予報のようにはいかないのが現実だ。

実際、2005年の福岡沖地震や07年の新潟県中越沖地震はいずれも活断層とは関係ない場所で起きており、地震の後に新しく断層ができることも多い。

原発が止まっている間に1日100億もの国費が海外に流出

原発が再稼働しない間に、火力発電の燃料費の増加などで1日ごとに100億円以上の国費が海外に流出している。こうした「現実的」な数字があるのにもかかわらず、活断層による地震の「可能性」ばかりを議論するのは不毛と言わざるをえない。

そもそも福島第一原発事故の直接的原因は、地震の揺れではなく、津波による原子炉の冷却装置の電源喪失だった。震度6強の揺れを観測した福島第一原発に対し、女川原発(東北電力)は震度6弱だったが、その附属施設は避難先になったほどだ。もちろん地震対策の強化は必要だが、今求められるのは、活断層探しではなく、原発の即時再稼働だ。(冨)

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