東日本大震災から4年の今日、各地で慰霊祭が開催され、鎮魂の祈りが捧げられています。

東日本大震災の被災地で、犠牲者の霊を見た家族や知人から聞き取りを進めているジャーナリストの奥田修司氏のインタビューを、このほど河北新報が報じました(1月4日付)。

奥田氏は記事の中で、取材を始めたきっかけとして、「いまわの際に、亡くなった両親や親類を見る人は死に方が穏やか。その延長線で霊を見た人が被災地に多いと聞いた。『うちの患者は2割くらい見ている』と言う医師もいた。もう特殊な現象ではないと感じた」と述べています。

ただ、幽霊がいるかいないかについては、「幽霊がいるかいないかを議論すると泥沼に入る。その人が見たという事実だけを素直に受け止めようと考えた」「幽霊を見るのは人に備わった生理反応で自身を癒やしているのかもしれない。生きる力が弱まった時、助けてくれる存在なのかもしれない」と語っています。

科学的に証明できないと言って幽霊の話を否定するのではなく、「まず素直に受け止める」という姿勢には、共感できます。ただ残念なのは、幽霊を、遺された者を慰める現象としてしかとらえていないことです。

今回は、本当の慰霊・鎮魂について、考えてみたいと思います。