下村博文・文科相の政治資金問題で、本人の証言が2転3転している。

下村文科相は、自身が代表を務める自民党支部が、大手進学塾の元代表であり、反社会勢力とのつながりが判明している男性から、2009年8月に10万円の寄付を受けていたことについて、2月の国会審議において「一切ない」として否定していた。

しかし、下村文科相の事務所は2日、「突然の質問でしたので、入ってきたメモに沿って答弁をしましたが、メモが間違っておりました。返金の手続きをいたします」と取材に対し回答。10万円の寄付を受けていたことを認めている(3日付朝日新聞)。

さらに、3日の国会審議で質問に立った民主党の柚木道義議員は、先週末に、ある「博友会」の会員に取材したところ、下村文科相の秘書が全国の「博友会」関係者に対し、口封じのメールを送っていたと指摘。

そのメールには、「大臣より取材の要請が来ても応じることなく、無視でお願いと申しております」「大臣になりますと、あらゆる疑いをかけられ、ないことを書かれますので、取り合わないようお願いいたします」などと書いてあったという。

柚木議員はまた、その「博友会」関係者は「(下村大臣が国会で)嘘の答弁をくりかえされるので、真実を語ってほしい」との思いでメールを公開することを決断したと紹介した。

下村文科相はこれまで、全国の「博友会」は任意団体であり、直接の関係はないとしてきた。しかし、その説明も覆されたことになる。本当に関係がないならば、口封じの必要などない。秘書から直接メールを送ること自体、深い関係があることを示している。

メールを公開した人物は、下村文科相を長らく支援してきた人物でもある。下村文科相の証言はそうした支持者に「裏切られた」と感じさせ、信頼を損なったようだ。

孔子の『論語』には、有名な「信なくば立たず」という言葉がある。政治の要諦として「兵と食と信」の3つを挙げた孔子は、この中でも最も重要なものとして「信」を選んだ。人々の信頼を失っては、政治は成り立たない。

下村文科相は、「信」を失ったものが長く政治を行うことができないことを知るべきだ。(居)

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